5月18日(日) 2014 J2リーグ戦 第14節
熊本 0 - 0 東京V (14:03/水前寺/4,268人)


決定機もあったのですが、スコアレスドローでした。公式記録ではシュート数は熊本9、東京2。

「守備はほぼ完璧に近い形で、やられる気もしなかったし良かったと思うが、こういうゲームを勝ちにもっていけるようにしていきたい」(養父)
「シュートもほとんど打たれてないので、後ろからしてみれば結果的には完璧に近い内容だったのかなと思う」(畑)

そう選手たちが感じたように、われわれも試合の流れのなかでリスクを感じたのはセットプレーの場面だけというような。それでも、相手を封じ込めたというより、要所をぴしゃりと締めて、付け入るスキを与えなかったような印象。

湘南戦の敗戦明けのゲーム。ひとことでいえば「よく我慢した」のかなと。

20140518東京V

3連勝のあと、4連続引き分け。そして首位・無敗の湘南に1-3で敗戦を喫してのこのホームゲーム。ここは勝ち切りたい。勝利を、勝ち点3をと、気持ちはハヤリ、高ぶるのはやむを得ない。そんな状況は間違いなかったと思います。

ところが、小野監督はこの日の基本戦術について次のように振り返る。
「相手はこっちが人数をかけて攻撃に出てきてバランスを崩すのを待って、そこでカウンターで点を取って勝つというのがシナリオ」。
「自分の経験の中でも、こういうゲームでいけいけになってバランスを崩し、それで向こうの思うつぼになって失点を食らって負けてしまう」。

もうこれは、事前に完全なゲームのイメージがあってのことだったような。
「その術中にはまらないようにしながら攻撃を仕掛けるというのが、今日のゲームのいちばんのポイントだったし、そこは選手達がいい形で進めていってくれた」という指揮官。“よく我慢した”という所以です。

もちろん、それでもそのうえで勝ち切れるチームを目指していかなければいけないわけですが。

こういうゲームの受け止めとしては、「自分たちは守備で作っていくチームだし、良かった点もあると思うので、この引き分けをポジティブな方向に考えてやっていきたい」という養父の言葉に象徴されるでしょうか。

現在、14節を終わった時点で、4勝6分4敗の勝ち点18。得点15、失点17。思えば、昨年の同時期、14節を終わった時点で、4勝5分5敗 勝ち点17。得点16、失点16。昨年の第14節の岐阜戦、これもスコアレスドロー。データで見れば、実は昨年と同程度の成績で推移しているとも言える。

昨年は、ここから監督交代の引き金になった7月7日の松本戦までの9ゲームで得た勝ち点はわずかに5。何より、ホームでの1-4の栃木戦、0-7の北九州戦、0-3の松本戦。目の前での大敗、惨敗が続き、初めてのシーズン途中での監督交代劇となってしまいました。

こんなふうにデータをなぞっていけば安閑としてはいられないのも事実です。昨年のような、あんな思いはもう二度としたくない。ただ、自分たちが書いた昨年のエントリーを今見返すと、同じドローという結果でも、その受け止め方が微妙に違うのに気づかされます。そう、昨年は迷いがある、とでもいうべきか…。今は、負けても、引き分けても、われわれにも全く迷いがない。その差はなんだろうと考えたとき、それは指揮官から発せられる言葉に場当たりでない一貫した“説明力”があるからかも知れないと思いました。

さて、もうひとつ。リーグ戦も14試合、三分の一を消化し、序盤戦を終えた。そこで気になるのが、熊本にとってのもうひとつの敵、「暑さ」。

「これから暑くなるし、セットプレーやチャンスをしっかり決めるしかないと思う」(養父雄仁)
「暑さは相手も一緒なので、そういう時に相手を上回れるかでチャンスも広がるし、そこで試合が決まってくる。」(園田拓也)
「後半は暑さもあったので、奪いにいくことと縦パスを消しにいくことを意識した。」(橋本拳人)
…選手たちのコメントの端々に“暑さ”が出始める時季。

思えば、今年で10シーズン目。どの年をとっても、序盤戦での戦いぶりは、それほど悪くないものでした。むしろチームの課題は、いつもここからの中盤戦、暑さとの戦いと言ってもいいかもしれないくらいに、気候条件とチームのコンディションは密接にからんでいたと思います。熊本のこのチームが持って生まれた課題。

そこで気付くのは、GW連戦で見せた、選手のローテーション起用。ターンオーバーではなく、まさに“ローテーション職場”のように、選手は少しずつ入れ替わる。選手を“休ませ”ながら選手層を厚くしていくチーム運営。今日のゲームでもハーフタイムでの仲間→岡本の交代。そして、後半38分、橋本→黒木の交代など、そんな意図が見えるような。連戦対策としてだけでなく、熊本特有の暑さ対策としても選手のローテーション起用、戦術の一貫性を貫いている。そんな気がしてきました。

選手層とかチーム運営と言えば、今日の東京ヴェルディ。何人いただろうか、ユース出身の選手たちがピッチを躍動する。まぶしく見えたのはその若さや技術だけではなく、そんなチームになりたいなあという、われわれの夢が形になってそれを目の前で見せられたからかもしれない。

けれど、何人いただろうか、という点では、今日の熊本。岡本、巻、黒木、と交代カードを切って最終的には、ピッチ上に同時に7人の地元出身選手が立ったことになる。このJ2というカテゴリーで、これはなかなかニュースなことではなかったでしょうか。育成型クラブへと大きく舵を切ったチームですが、目指す姿の手前には、まずこんな在り方なのかなと思わせる場面でした。   

最後に一言。シュミット選手、ありがとう。わずか一か月の在籍とはいえ、熊本のピンチに颯爽と現れ、全力のプレーで応えてくれた。5月の風のように爽やかに。忘れません。お疲れさまでした。

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