7月30日(水) 2014 J2リーグ戦 第24節
松本 2 - 1 熊本 (19:04/松本/11,265人)
得点者:41' 養父雄仁(熊本)、44' 喜山康平(松本)、45'+1 サビア(松本)


土曜日の激闘から中三日。ミッドウィークのアウェイゲーム。相手は自動昇格圏の2位に浮上した松本。正直なところ、この試合はコンディション的にかなり難しいのではないか。厳しい結果も覚悟しながら、それでも熊本のゲームがどこまでやれるのか。しかし勝利は欲しい。そんな、ちょっといつもとは違う微妙な気持ちのままゲームに入りました。

出場停止の片山の代わりに左には藏川。CBには前節足を痛めた橋本を休ませ18日に獲得が発表されたばかりのキム・ビョンヨンをいきなりの先発で起用。相方は篠原とし、園田を右SBに出す形のDFライン。

20140730松本

前半、思ったよりも熊本のペースで戦った終わり際の41分、養父のゴールで先制します。波状攻撃のなか左から作りなおす。シュートコースのなくなった齊藤がマイナスパス。それを思い切りよく養父が打つと、相手に当たってゴール左隅に決まりました。

ただ、スカパーのアナウンサーによると、先制してからの勝率は、松本が92.9%なのに対し、熊本のそれは42.5%だという。そんな嫌な数字を聞かされると、立て続けに失点。前半残り5分の間に、逆転されてしまいます。

同点弾は、喜山が放った振り向きざまのシュート。逆転弾は、サビアのヘッド。いずれも岩上の得意とするロングスローインから。

「警戒していたセットプレーでやられてしまったことは悔しいし、僕たちの課題。そろそろ進歩しないといけない」「良い時間帯でのゴールだったので、守りきらないといけなかった」と自身の先制点を守りきれなかった養父が悔やむ。

養父が課題としたのはセットプレーでやられてしまったことなのか、それとも守りきらないといけないという思いなのか。しかし、今の熊本にはどう見ても「守りきる」という部分にひとつ大きな課題があるのは間違いないと思うし、それが典型的な形で出てしまったゲームだったのではないかと。

「セットプレー、特にロングスローは相手の最大の武器ということで警戒していて、それなりにしっかりと跳ね返してくれていました。やはり下がって押し込まれる中で、結局ロングスローから2失点ということで残念に思っています。」と、小野監督は分析を交えた。

先制からわずか5分の間に、セットプレーからの連続失点であっと言う間に逆転されてしまいました。前半41分という時間帯で、このゲームを守りきろうという意識はあるはずはないのですが…、無意識の意識なのか。恐らくは、前半はこのまま守りきろうというイメージはあったかもしれません。しかし、先制を境にまったく別のゲームになってしまいました。

「このスタジアムの雰囲気の中で後半はもう少し落ち着いて攻める場面はあったと思いますが、かなり重圧をかけられているような錯覚というか重圧感が選手にはあったかもしれません。」(小野監督)

一度、相手にわたってしまった流れ、主導権は、アウェイのアルウィンでは、取り戻すどころか、さらに増幅されてしまいました。

50センチの間合いの攻防で勝負するチームなのに、競ることすらできなくなってしまう。体力的な厳しさも顔を出し始める。アフターのファウルが増え始め、セットプレーからの失点リスクが高まっていく。

巻を投入するも、全体に押し込まれた陣形は、前線の枚数不足で、巻が集中してマークされ、なかなか打開できない。なのに熊本は中盤を省略してロングボールに固執する。前節、巻が効いていただけに、そのイメージが繋がってのことだったのでしょうが、敵将・反町監督のスカウティングにはまるのには十分でした。結果、松本21、熊本4というシュート数。後半、熊本はシュートゼロに終わっています。

しかし、もうひとつ気づかされるのは、完全に自分たちのゲームではなくなってしまった後半、それでも追加点は許さなかったということ。

振り返ってみれば、ほとんどポゼッションできない時間帯が続き、熊本の本来の戦いとはまったく違う展開になってしまいましたが、それでも、熊本の選手たちの気力自体は決して萎えたりしなかった。

スカパー解説者が、ゲーム最終盤にいたっても、カウンターを阻止すべく、激走する黒木や、孤立しながらも体ごとぶつけて空中戦を闘う巻を称賛したように。

ゲーム全体としてはやられているけれど、局面、局面の個々の戦いでは決して負けていない。結果、最後の10センチ、体をはっての守りは試合終了まで持続できた。やられている熊本から見れば、厳しい戦況ばかりが目につきましたが、逆に松本から見ればどうだったのでしょうか。あの後半の展開で、追加点を奪えず、それどころか、決定機(本当の意味での)すら作れていなかったことに。

ピッチ上の熊本の選手たちには、多分、あの大量失点の3試合を思い起こしていたんではないでしょうか。特に、最終ラインの篠原の思いは、ひときわだったのではないかと。

「後半はもう少し落ち着いて攻める場面はあったと思いますが…」と、わが指揮官は言う。

結局、ゲームを立て直すことはできなかったけれど、ゲームが壊れることにはならなかった。少なくとも、何も得るところのないゲームではなかった。負けゲームで言うのもなんですが、こんなゲームでも、チームの成長を感じる。ひとつには今日確信した新しい戦力、キム・ビョンヨン。確かな技術とともに闘志も伝わるプレーぶり。今後に大いに期待が持てました。

「本当に強いチームなら3点目をとらないといけない。しっぺ返しをもらってもおかしくなかった」と振り返る反町監督の言葉は、半分くらい本音が混じっているのかもしれません。

ただ、そんななかでも。いつかのエントリーで「GK陣もまさしく”育成”の最中」とは書きましたが。まるで湘南戦の菊池のシュートを思い起こさせるような、同じニアサイドへのグラウンダーの早いシュートで割られた今日の同点弾。これもまた熊本をスカウティングするなかのひとつになってはいないかと思うのは考えすぎでしょうか。

「シュートまでのイメージは出来ていたが、止められたかなと思った。打てば入るもんだなと(苦笑)」と言う喜山。この敗戦の悔しさに追い打ちをかけるようなコメントでした。

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