8月17日(日) 2014 J2リーグ戦 第27節
熊本 0 - 0 千葉 (19:03/うまスタ/5,357人)


格上の強豪を相手に勝つときは、こんな試合のときなんだろうな、と試合中ずっと思っていました。監督交代から負けなしという関塚・千葉に初めて土をつけるのは熊本だと。残り2分になって高橋が投入されたときも、「殊勲点を決めるのは祐太郎か」と想像したぐらい。それほど勝利の女神が近づいていた試合。悔しさもいっそうです。

直近の対戦を見返してみると、ケンペス一人にやられていました。
昨シーズン前半戦 0-3(前半10分にケンペス先制点、75分ケンペスダメ押し点)
昨シーズン後半戦 0-6(ケンペス3得点)
今シーズン前半戦 0-3(ケンペス前半2分に先制点)

これ以前の3シーズンの対戦成績は1勝2敗3分で、比較的よく戦っていたイメージもあって、われわれにもそこまでの苦手意識はなかったように記憶しているのですが…。いやはや、ここまでやられてしまうと、どうしたらいいのか…。

しかし、ひとつだけ言えるのは、課題はこの大量失点という表面的なことではなく、とにかくこのケンペスに仕事をさせないこと、そして早い時間帯での先制を“絶対に”阻止すること。われわれの素人評論では、ある意味で、これがほとんど全てと言っていいくらい重要なことのように思われました。

そして今日のゲーム、それは試合運び、特にゲームへの入りから徹底していたように見えました。

20140817千葉

「今日は立ち上がりの10分、15分が勝負になると思っていました。どの試合を見ても、ジェフは立ち上がりで圧力をかけて点を奪う、あるいはそこで主導権を取っていく。そこを何とかしのいでいけば、いくつかのポイントの中で自分たちのゲームに持っていけるんじゃないかということで…」(小野監督)

全神経を集中して試合開始のホイッスルを聞いた熊本の選手たち。監督の予想通り、パス数、パス成功率がリーグ1、2位という千葉の巧みなボール回し。ただ、それはわかっていたことであり、ゲーム序盤では織り込み済みのイメージ。ある程度、回されて押し込まれることは承知。

「15分くらいすると向こうも若干運動量が落ちて、そこでしっかりとつないで、ボールをコントロールしていくことによって逆に相手の消耗を誘うことができた。」
「そこで失点してしまうと向こうが疲れをそんなに感じなくなりエネルギーが増してしまうので、そこを何とかしのいで徐々にペースを持ってきた。」

指揮官がそう振り返るとおり、徐々に熊本がセカンドボールをひろいはじめ、主導権が移り始める。

「熊本が球際をキツく寄せてきたなかで、自分たちのミスからピンチを招いたり、悪い取られ方をしたりして、自分たちのリズムがだんだん掴めなくなってきた感じだった」。千葉のGK岡本もそう証言します。

さらに、主導権を奪い返してからも、このケンペスにプレーをさせないこと。フリーにしない、スペースを与えない、パスの供給源を絶ち孤立させる、振り向かせない…。多分、ありとあらゆる対策を集中して、…サッカーをさせないこと。90分間、一瞬のスキも与えない。ほぼ、完全に封じ込めることができた。

「たとえ相手に触られても、勝つヘディングと負けないヘディングということで少しトレーニングの中でやりました」と指揮官が言う。この一週間、ヘディングで競り負けない練習からやったというくらい。

「ケンペス選手はたぶん、片山と園田の間を取っていたんですけども、篠原が引っ張り出された時もボランチが下りてきてくれたので、センターバックと競り合うシーンというのは中盤がうまく作ってくれたんじゃないかなと思ってます。いいポジションを取り続けるのは大変だったと思うんですけど、そのことで確実な起点を作らせずに済んだと思ってます。あとは、園田、篠原を中心にしっかりと競って、周りもセカンドボールを拾ってくれたと思います」と、高い連携で守り切ったことも明かしています。

どうしようもない、崩された決定的なシーンは全くと言っていいくらいなかった。今日のそのわかりやすいシンプルな戦術が、全体の緊張感、集中力につながり、ゲーム自体の一貫性、統一感につながっていった。ゲームの質自体が高まっていった。

しかし、それでも千葉は千葉。
「…数少ないチャンスで決めるのが大事」と谷澤が言えば、岡本は「…こういう展開ならしっかり守りながらなんとか1点取りたいゲームだったと思う。どんなに内容が悪くても、1発で沈めないといけない。」と狙っているわけで、90分間のなかのその一瞬でやられてしまう。それこそワンプレーで全てが水の泡になってしまうような緊張感に痺れるような展開がアディッショナルタイムの4分まで続きました。

「今季の中でも本当に、素晴らしい試合をしてくれたと自分の中では思っています」と指揮官が評価する。それはわれわれも同じ。小野監督の優れたスカウティング力が結集したようなゲーム。だからこその引き分けの悔しさです。これだけのゲーム。結果論でも、タラレバでもない。勝ちたかった…。勝つべき試合だった。そう思います。

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