【J2第12節】(うまスタ)
熊本 0-0(前半0-0)大分
<警告>
[熊]齊藤和樹(41分)
[大]西弘則(79分)
観衆:12,770人
主審:吉田哲朗
副審:桜井大介、藤沢達也


こんな順位での隣県対戦になるとは思ってもいませんでした。大分は勝ち点8で20位、そしてわれわれは7で21位と、互いに降格圏を覗く位置。しかし、スタジアムには(動員もあって)1万人以上の観客。大分からもおよそ1,500人のサポーターが阿蘇を越えてやってきて、ゴール裏を青く染めていました。

20150506大分

立ち上がりは互いのチームの状況とスタメン起用の考え方がハッキリ出た展開になりました。不調のなかでも、前節徳島との戦いに追いついてドローにした大分は、「中2日の連戦のなかでメンバーを大幅に替えて、前回(徳島戦)の内容と同じことをフレッシュな選手に求めた」(大分・田坂監督)。それに対して、前節を追いつかれてドローにされた熊本は、そんななかでも得られた手ごたえを大事に、逆に先発を中山から常盤に代えるにとどめた。そんな個々の選手起用やチーム全体のコンディションの違いがはっきと表れた序盤だったように思えます。

大分の猛烈な押し上げ、波状攻撃に対して、熊本はアバウトなクリアに終始する。それに主審の笛の多さも加わって、集中力を持続するのも難しい時間帯。こんなときに耐え切れずに先制点を許してきたのが今季の熊本ですが、今日はここをしぶとく凌ぎきり、自分たちの展開に持ち込んだところが大きな進歩でした。もちろんそこには、前半途中から高柳のワンボランチから上村を加えた4-2-3-1にシフトチェンジした指揮官の好判断も奏功したのですが。

36分にはこの日連続して鋭いロングスローを放っていた鈴木から、常盤が素早く縦に繋いで齊藤がボックスを脅かす。いい連携だ。続いても齊藤からのパスを巻が折り返して常盤のシュートは惜しくもオフサイド。前半終了間際にも上原のFKを園田がファーで折り返し、鈴木がマイナスで入れると齊藤、そして高柳のミドル。そのあとも、カウンターから齊藤のスペースを狙ったサイドチェンジのボール。惜しくも常盤には通りませんでしたが、「ここが合えば」という攻めでした。

その勢いを加速するべく後半開始から熊本は左SB上原に代えて片山を入れます。しかし、ここでアクシデントが起きました。開始早々のプレー。熊本ゴール前でエヴァンドロがトラップしてシュート。これを止めようとディフェンスに入った片山の足がエヴァンドロのそれと交錯。もんどり打って倒れる片山。痛いのか悔しいのかピッチを叩く。すぐにチームメイトがベンチにバツを示します。

すぐに養父が右SBに入り、鈴木が左にまわります。練習試合では試されたこともあったとのことですが、公式戦では初めてみる養父のSB。まさに総力戦の雰囲気。

その後はそれほど見せ場があったわけではありません。互いの順位が物語るように、攻め上がりのなかでのミスもあれば、フィニッシュの精度の課題もあった。ただ、この試合で絶対勝ち点3をもぎ取るんだという大分のエネルギーは相当なものがあったし、連戦の中日、それを跳ね返すのに精一杯の熊本だったのかも知れません。

アディッショナルタイムには、カウンターから大分・西のシュートが左に反れ、対して熊本は黒木から田中、左から撃つも枠の上に外れる。最後までどちらに勝ち点3が転がり込んでもおかしくなかったのも確かです。

スコアレスドローという結果とはいえ、潜んでいた両チームそれぞれの”苦しい状況”、そのなかでの ”熱いプレー”は、きっと1万人の観衆に伝わったのではないでしょうか。熊日はそれを観て「戦う姿勢 チームに戻る」と見出しを付け、九州J-PARKで井芹さんは「自信も掴んだスコアレスドロー」と詠いました。なにより大分の開始早々の勢いを凌いで、第4節福岡戦以来続いていた連続失点を、クリーンシートに収めた結果は大きい。

確かに片山のケガの程度は心配ですが、あのプレー。今日のゲームを象徴するようなものでしたね。怖くて行けないようなところに、敢えて行く。勇気を持って行く。他にも同じようなシーンが幾度も見られました。肉を切らせて骨を断つ。そんなギリギリのプレーでなければ、相手を紙一重で上回ることはできない。

これをベースにできるのか。崩れない土台を構築することができてきたのか。連戦のなかではありますが、そこが注視すべきところではないかと。みなさんはどのように感じられているでしょうか。

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