【J2第22節】(正田スタ)
群馬 1-1(前半1-1)熊本
<得点者>
[群]野崎桂太(20分)
[熊]巻誠一郎(34分)
<警告>
[群]松下裕樹(12分)、吉濱遼平(45分+2)、夛田凌輔(84分)
[熊]シュミット・ダニエル(19分)、清武功暉(31分)、平繁龍一(79分)
観衆:1,618人
主審:荒木友輔
副審:蒲澤淳一、福岡靖人


小野監督就任以来、試合前日の熊日の予想フォーメーションは、あまり当たらないからとちょっと半信半疑で見ていたのですが…。この試合、先日2日に加入発表があったばかりの清武をやはりというか、早速使ってきた指揮官。その理由を問われると、「アウトサイドから崩していくところ」「プレースキックが武器」そして「なにより、早くフィットしていくために」(クラブ公式)と言っています。

鳥栖からの育成型期限付き移籍。ご存知のとおり日本代表・清武弘嗣の実の弟。大分の下部組織から福岡大学時代に鳥栖の強化指定を受けて、そのまま鳥栖に加入。兄と同じようなアタッカーと知っていましたが、さてその実力のほどは。どれほどチームとその戦術にマッチしているのか。この試合のひとつ重要な注目点でした。

20150708群馬

そんな、ちょっとネガティブが入ったわれわれのドキドキを、試合始まってすぐにワクワクに塗り替えてくれる。前節磐田戦後半の攻撃性を、うまくそのまま持続させたような試合の入り方。途切れのないパス交換から敵陣に入り込むと、ボールホルダーを後ろから追い越す動き。今日はその先のアタッキングサードでの崩しも連携がある。

特に左サイド清武のところで起点ができると、ときに齊藤、あるいは巻の2トップのどちらかがDFをつり出しスペースを広げると、右サイドへのチェンジも有効。群馬のラインを慌てさせます。

1週間もない短い期間でここまでフィットしているのは、清武自身の能力か。もともとのプレースタイルか、あるいはチーム練習の“質”なのか。そういえば左SBの黒木とは鳥栖時代に被っていたっけ?福大時代は黒木の双子の兄、恭平ともチームメイトだったから違和感ないのかもな…(笑)。などと、スカパー実況の某アナウンサーの”お株を奪う”ようなことを思いながら。

しかし、先制点を奪ったのは防戦一方だった群馬の方でした。自陣ハーフウェイラインくらいからのサイドチェンジぎみのロングボールを左から頭でエリア内に入れると、対応に遅れた鈴木の野崎に対するコンタクトがアフターで入ったとの判定。主審が指差した先はペナルティマーク。ちょっと厳しすぎないかあ。

ダニエルもイエロー覚悟で駆け引きしましたが、このPKを野崎自身が叩き込みます。

ただ、まだまだ早い時間帯。熊本は下を向くことはもちろん、変に焦って攻撃を急ぐということもなかった。なんかある意味、淡々と同じようなペースで。しかし執拗に敵陣を脅かし続けた。必ず追いつくチャンスは作り出せるという自信さえ感じさせ。小さくない成長と感じました。

34分、右サイド奥で得たFK。嶋田が入れた速いクロスは、一旦ニアにいた巻が頭で競るもののファーに抜ける。しかし、その跳ね返りを今度は巻がダイレクトで右足を振り抜き、ゴールに突き刺しました。

「トレーニングでやっている形」だという巻。今シーズン2点目。彼の献身的なチームでの役割が報われたような。彼の得点でよかった。心底そう思わせた同点弾でした。

振り出しに戻った後半。指揮官は「落ち着いてプレーしよう」「粘り強く戦おう」と、ちょっといつもとは違ったニュアンスで選手たちをピッチに送り出します。

早速、巻の落としから齊藤がキープしてシュートは残念ながら枠の右外。「不思議なボールタッチ」だと解説の都並氏が、齊藤のことを評価する。PKの場面で少し脳震盪を疑われたCBの鈴木も、その後も臆することなく前へのチェックを怠らない。このところ黒木のモビリティが光る。試合ごとに存在感を増す。養父の右SBも板に付いてきた。3人目の動きに参加。

ところが、いつも受け身にすぎるのではないかと注文をつけてきたわが指揮官のベンチワーク。今日は早い時間帯から先にカード切ってきます。後半も早々の7分、清武を下げて中山を投入。これまであまり試合に絡んでいなかった清武の、フィジカルコンディションを考慮してのことなのでしょうか。まだ、清武を観たかったし、なによりこの流れやバランスを変化させるのはまだもったいない気がしました。

チームのパフォーマンスが一段落ちた印象。ちょっとゴールから遠くなる。

群馬はオリベイラを投入。熊本は殊勲の巻に代えて平繁。群馬のサポーターから盛大なブーイング。さらに群馬はドリブラー永井という切り札を切る。それに対抗するように熊本は岡本。群馬今度は前半戦の熊本戦でも点を決めたアクレイソン。

熊本優勢から少しづつがっぷり四つ状態に変化していった印象。勝ち越し点が欲しいが、群馬もしぶとく守る。終了間際の群馬の速攻をオフサイドに仕留める。この時間帯にもラインを下げずに押し上げた熊本のDF陣。

結局後半はスコアレス。それが後半戦初戦の結果でした。熊本にとって「実のあるドロー」だと都並氏は言う。翌日の熊日の見出しは「粘りのドロー」と。うーむ…。そうかなあ…。

試合後のインタビューで、敵将・服部監督が「負けに等しい引き分け」と表現したとおり、前節に続いてこの試合も、”仕留める”ことができなかった残念さのほうが大きい気がします。勝機はわれわれにあった。

もちろん90分という時間のかなでは、いい時間帯もあればその逆もある。選手のパフォーマンスや相性という”変数”もあれば、相手あってのベンチワークも大きな”変数”。ただ、そのトータルを勘案したうえでも、今の熊本は進境著しい。そう思うと、中二日のアウェー連戦とはいえ、この2試合連続の引き分けは、ものすごくもったいない。これだけ得点の匂いが漂うゲームはものにしたい。そういうと欲張りでしょうか。リーグもいよいよ後半戦。われわれも結果が欲しくなってきました。

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