【J2第25節】(うまスタ)
熊本 0-1(前半0-0)東京V
<得点者>
[東]高木善朗(74分)
<警告>
[熊]クォン・ハンジン(68分)、園田拓也(79分)
[東]三竿健斗(28分)、高木大輔(72分)
観衆:3,956人
主審:岡宏道
副審:相葉忠臣、中井恒


「点を取られたのは後半だが、残念なのは前半に積極性を出せなかったことだ」(23日付熊日朝刊)。試合後のインタビューで、小野監督はそう嘆きました。

前からアグレッシブにプレスに来るヴェルディ。ロングボールで押し込まれ、セカンドボールも次々に回収して2次攻撃、3次攻撃に繋げられると、少しずつ後手を踏んで来る熊本。本来、序盤は両者とも飛ばしてくるもので、このがっぷり四つ、あるいは鍔迫り合いの時間帯から徐々に押し戻し、自分たちのサッカーに持っていけていたのが、熊本のここのところの好調の要因でもありました。指揮官いわく「ピッチ上の選手たちが自分たちで解決できるようになった」と。冒頭のコメントは、この試合の前半それができなかったことを悔やんでいるように思えます。

わずか1カ月前、向こうのホームで対戦したときのヴェルディとは明らかに違っている。この間ヴェルディは、3勝1分1敗の成績を収め、順位も6位まで上げていました。「ホームのときとは違う牙をむいていける」(スカパー)。試合前の敵将・冨樫監督のコメントも、リベンジへの自信に溢れていました。

20150722東京V

ヴェルディは左から作って杉本がボックス内に侵入。ニアをぶち抜こうとしますが、これはダニエルが片手一本でクリア。FKから安在のシュートは、ダニエルが一旦弾いて再びキャッチング。ゴールマウスを割らせない。とにかくダニエルの好プレーに救われています。

前回対戦のときはしっかりマークできていた中後、三竿の両ボランチを、今日はなかなか捕まえきれない。途中から4ー4ー2にシフト変更を命じる小野監督。それでも伝統的な短いパス回しに、前からのアグレッシブな守備が加わっているヴェルディに対して、熊本も幾度か好機を作るものの、攻め上がっても少しチームの重心は後ろにあるように感じられ、とにかく0点で凌いだという印象で前半が終わります。

過密日程のなか、また降り続いた雨のため“重馬場”となったピッチ状態を考慮してか、膝に古傷のある岡本はベンチスタートになっていました。代わりに常盤の持つ古巣対戦へのモチベーションに期待しての起用でしたが、この展開のなかでは代えざるを得ない。熊本は後半から巻を入れました。

更には蔵川に代えて清武。清武はホーム初お目見え。そんな二人が加わって見せ場を作る。

巻が落として清武がミドルシュートで敵ゴールを脅かす。左サイド奥に侵入した斎藤からのマイナスパスを巻がミドルで打つがこれはキーパー。再び斎藤が持ち上がって清武に送ると、清武の反転からのシュートはブロックさせる。しかし、「よりギアを上げていこう」とハーフタイムで指示を送った冨樫ヴェルディに対して、五分五分のところまで盛り返した感じの熊本でした。

そんななかの一瞬の出来事でした。GKからのキックを中盤で落としたヴェルディ。途中投入の高木善朗にしっかりとつなぐと、PAの少し手前でした。思い切りよく高木が一閃した右足のシュートは、少し前に重心の掛かっていたダニエルの頭を越えて、ゴール右隅に突き刺さる。結局、この1点が決勝点になってしまいます。

残り10分となって熊本は岡本を入れる。ヴェルディはベテランの田村を入れて締めにかかる。コーナーキックからの清武のボールは、キーパーも触れない絶好のコース。しかし味方も触れずエンドラインを抜けてしまう。アディッショナルタイムのFKには、ダニエルも上がって”一発”の同点弾を狙い続けましたが、これもファーに流れて終了の笛を聞きました。

「たとえばファーストボールを競らないとか、あるいはフォワードもそういうところでしっかりと身体を当てないとか、そういうので相手にボールが渡るのがいちばん危険だと思っていたので、そういうところのゲームの入り方の修正をしました」(九州J-PARK)。富樫監督は勝因の一端をそう口にしました。

一方、小野監督は“アグレッシブさ”で劣った理由を記者に問われていわく、「相手がかなり徹底して裏に走ってそこへのロングボール、そこのセカンドボールの争いというのが序盤の大きな戦いだったんですけども、そこで1歩遅れることが多くて、こちらが後手に回った部分がちょっとあった」と。さらに「本来だったらそこでモノにしてもう1回押し返して、逆にこちら側がプレッシャーをかけて、苦しい体勢のボールをまた奪い返すという流れに早くもっていきたかった」。

そこが冒頭書いた「ピッチ上の選手たちが自分たちで解決」できなかったということではないかと。

「うちがやりたいことを逆にやられて」と園田は言う。全くそのとおり。更に言えば「やるべきこと」を逆にやられたとも言えます。

団子状態とも言える下位グループのなかで、これで19位まで後退。薄氷を踏むような感覚が続きます。

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