【J2第29節】(うまスタ)
熊本 0-1(前半0-0)北九州
<得点者>
[北]井上翔太(38分)
<警告>
[熊]齊藤和樹(69分)
[北]前田和哉(60分)
観衆:7,680人
主審:野田祐樹
副審:大西保、西村幹也


20150815北九州

今節はあまり多くのことを書く必要がないかも知れません。「相手のカウンターを恐がってはいけない。一方では残っている選手をしっかりつかんでおかないといけない」(九州J-PARK)と戦前語っていた小野監督に対し、北九州の柱谷監督は、「うちが引き込んでカウンターを狙う展開も必要だろう」(スカパー!)と。自他ともに認めるカウンターサッカーの北九州に対し、前回対戦と同じように”策に嵌り”敗れた。

シュート数は熊本11に対して、北九州は1。たった1本のシュート、カウンターに敗れたという、サッカーではありがちな展開と言ってしまえばそれまでなんですが。しかし、前回対戦と違っていたのは、北九州が作るタイトな2列の守備ブロックを、うまく崩す場面がたびたび見られたこと。これは実は大きなチームの進化ではないかと感じました。

前半20分前後の攻勢。嶋田が左から入れると中山が清武にパス。シュートはGK。続いてはダイレクトパスの交換からゴール前に侵入。左からグラウンダーで入れたクロス。これは清武がジャストミートせず。養父のクロスを清武がニアで受けてマイナスに出すと、齊藤のシュートはDFがブロック。幾度となく熊本が確実にアタッキングサードまで攻め込めていました。

北九州は2トップの原と小松が裏を狙う動きこそ見せますが、なかなかボールが出てこない。防戦一方の展開。しかしこれが「うちが引き込んでカウンターを狙う展開」だったとすれば…。ちょっと考え過ぎでしょうか。

38分、右SBの養父のショートパスでした。井上がカットして素早く熊本の右サイド裏に出す。小松が走りこんで運ぶ。園田、養父も追いかけるが間に合わない。小松がマイナス気味に入れたクロスを、追走してきた井上が右足でダイレクトに突き刺す。貴重な先制点が北九州にこぼれ落ちます。

堅守速攻のチームに対して、痛恨の先制点献上でした。熊本は、攻勢の時間帯に得点が欲しかった。しかし、完全に崩し切れないフィニッシュを思うと、やはりどこかに北九州のカウンターを気にする”後ろ重心”があったのかも知れません。それに対して、北九州のワンチャンスの集中力、決定力は見事というしかありません。

ただ、点差は1点。指揮官がハーフタイムで「このまま続けていこう」「自分たちを信じて戦おう」と言ったのも当然でした。前回対戦のころとは”自信”が違っている。崩せている。必ず逆転できるはず。

その後半の反撃に水を差す第3の役者が現れます。前半は割とまっとうな笛を吹いていたといえる野田主審その人でした。

後半すぐさまカウンターから齊藤が倒されるがファールなし。エリア内でロングボールに競った清武が倒されるがファールなし。嶋田もボックス内で倒されるがファールなし。続いてもカウンターから齊藤が前の清武に付ける。清武が倒されるがファールなし。

そのたび、ゴール裏を中心にして怒涛のようにブーイングが鳴る。しかし、もちろん主審は意に介せず。けれど、この度重なる(スタジアム全体としての)ファールのアピールが、野田主審自身をかえって意固地にさせたのかも知れません。

68分頃でした。北九州GKのボールを、前目の位置でインターセプトした齊藤がドリブルで突っかけPエリアに迫る。GKと1対1。引っ掛けられて齊藤がもんどりうって倒れる。前々節・栃木戦と同じように、GKは1発レッドカード、こちらにはPKが与えられると思った瞬間…。

野田主審が示したイエローカードは、なんと齊藤に示されていました。シミュレーション。故意に倒れたという判定。騒然とするスタジアム。ブーイングの嵐。

これには熊本ベンチも黙っていない。激怒するコーチ陣。控えの選手たちも総立ち。当の齊藤は唖然とするばかり。チームキャプテンの園田が主審に詰め寄る。しかし、もちろん判定は覆されるわけもなく…。

日ごろ選手たちに、「人間誰にでもミスがある。誤審であっても抗議はしないこと」と、口酸っぱく指導している小野監督でした。試合後のインタビューでは、「おそらく、ルールに関しての私の認識が違っていたのかなと思います。ただ、齊藤はゴールに向かって精一杯のプレーをしてくれたし、我々は判定に従って精一杯戦うということだけなので。ルールに関する考え方がちょっとずれていたことだけが残念です」と述べました。監督としては、主審に対する”精一杯の皮肉”ではなかったのかと。

誤審(あるいは不利な判定)を嘆くより、それを上回る力を発揮すればいい、数ある決定機を決めていればいいのだという多くの意見があります。われわれも日ごろは、主審のジャッジに対してそうそう文句は言わないようにしていますが。

しかし、この日のこのシーンは、まさしく”勝敗を左右する”ワンプレーでした。その他の数々の決定機に決め切れなかったのが悪いということでは決してない。この”決定機”が決まっていたのかも知れない。前節の清武のセットプレーのワンチャンスで勝利したように。ここで同点にしたら、展開はまた違ってきた。そういう意味で、この時点でのこの”誤審”は許せないのです。

そもそもいわくのある人であるのは知っています。よくあるのはサイドを割ったボールの判定が逆なこと。今日もハンドを見逃した。はっきり言って、ポジショニングが悪いのは明らかです。プレーを(ボールを)選手の背中越しからしか見ていない。

それは何故かと言えば、彼自身が走っていないから。チームの、選手の運命を左右する責を担う者としてなすべき努力をしているのかと。

熊本は、その後もポゼッションを保持したまま攻勢を続け、アディッショナルタイム4分、パワープレイで攻め続けましたが、とうとう北九州のブロックを崩せず、終了の笛を聞きました。GK・ダニエルが見たこともないような悔しそうな表情で、グローブをピッチに叩きつける。熊本はこの敗戦で15位に後退。またPOの背中が遠くなりました。

いろんな感情がないまぜになり、われわれも複雑な心境です。しかし、先に書いたように、苦手とするブロックを敷く相手に対して、自分たちの戦い方で応戦し、それは着実に進化しているということ。それでも今日のゲームは、まだダメだ、もっと速く、もっと強くなれと教えてくれているのではないかと。そんなふうに総括して自分を納得させようと思っています。

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