【J2第33節】(うまスタ)
熊本 0-1(前半0-0)福岡
<得点者>
[福]ウェリントン(83分)
<警告>
[熊]シュミット・ダニエル(82分)
[福]三島勇太(12分)、ウェリントン(52分)、末吉隼也(88分)
観衆:10,142人
主審:井上知大
副審:山村将弘、櫻井大輔


悔しい敗戦でした。全体的に熊本が押しに押していたんですが、まるで蜂の一刺しのようなワンプレー。PKでの失点の前に膝をつきました。

「最終ラインと最前線に力を持っているんで、そこの撃ち合いになると苦しくなる」(九州J-PARK)と福岡を警戒していた小野監督。前回対戦はまだリーグ序盤戦の3月。開幕から連敗中の福岡が、ロングボールを仕掛けてきてそれにお付き合い。自分たちのサッカーができなかった試合。そしてその勝利から福岡は連勝街道に乗り、現在4位に位置している。

今日も福岡は守備の際は3バックに両サイドを加えスペースを消す。前線には186センチのウェリントンという高さも加わっています。それに対して熊本は過密日程の3連戦のなか「戦術的な面とコンディション面のローテーション」(小野監督)を考慮して、トップ下に岡本、サイドに藏川、CBに前節同様園田を入れて、鈴木をSBに回します。ちょっと守備的な布陣なのかなと戦前は思いましたが、「間をしっかり取って行ってこちら側がゲームを支配していく」“地上戦”を展開するためのものでした。

20150923福岡

「前節うまくいかなかった」と反省しきりだったボランチの上村が、今日はセカンドボールをよく回収し、チームプレスから敵ボールを奪っては前を向き、散らす。アンカーよろしく動き回る上村のおかげで高柳が高い位置をとれる。齋藤のポストプレーが光り、その高柳と岡本がアタッキングサードを脅かす。

ただ、ゴールネットが揺らせない。

30分には齊藤が落として高柳から嶋田。嶋田が返したところを高柳のダイレクトボレーは枠の上。続いても嶋田がドリブルで右サイドを上がってエリアに侵入すると、中央の岡本にパス。これを更に左の藏川に渡したパスがカットされる。

前半、終わりごろからでしょうか。ちょっと“攻め疲れ”といった印象も受けた熊本。GKダニエルに言わせると「ボールは回っていたというより、回させられてたという感じもしました」と。福岡はこの最終ライン3バックで凌げるという相当の自信があるのでしょう。

熊本としてはこの攻勢のバランスを崩すのが怖かったでしょうね。交代カードは難しい判断でした。岡本が足を攣ってしまったのは予想外だったでしょうが、中山に代えると、待ってましたとばかりに城後を入れてきた福岡。「前半は守備から、後半に攻めるというプラン」(福岡・金森)。これが反撃の狼煙だったのかも知れません。そして続いて平井。いずれもFWのカードを切ってくる。

それでも足を止めず拮抗した展開に収めていた熊本だったのですが、福岡GK中村からの一瞬の素早いロングフィード。前線で競ったウェリントンに「本来カバーに行く選手が競ってしまって、後ろが誰もいなくなり」(ダニエル)、ボールが金森に収まるとエリアに侵入。これを倒したダニエルにイエローが示され、PKをウェリントンにきっちり沈められてしまいました。

熊本はその前に藏川に代えて清武、失点後も前線に巻を投入したのですが、今の福岡には1点もあれば十分。終了間際にもFW中原を入れて牽制すると、3度あった熊本のCKのチャンスにGKダニエルも上がって参戦しましたが、それも凌ぎ切り、敵地で勝ち点3をもぎ取ることに成功しました。

ちょっと唖然として終了のホイッスルを聞きました。これが井原監督の作り上げた今の福岡。凌いで凌いで、後半攻撃的カードを切って仕留める。こちらは全く崩されたという実感がない。

しかし結果は結果。凌いで凌いで、凌がれてしまった。およそ戦術的とは言えないような福岡のゲーム運び。この結果は福岡という対戦相手より、むしろ自らに敗因があるような。今の熊本、戦術的にはっきりとした形が見えていて、そこから先は、良くも悪くも齊藤という攻守の中心選手がいて、そのパフォーマンスが勝敗のカギを(少なくとも半分くらいは)握っているというのが現状ではないでしょうか。しかし、心なしか、その動きが冴えない、ように見えました。それは齊藤個人のプレーと同時に、チーム全体にも波及してしまっているような。
しかし、その斉藤のコンディション問題を補える可能性を持っている嶋田のプレーぶりも、やや壁に当たっているような印象がありました。あれだけの視野、技術を持っているのに、もっともっとタテに、速い判断があっていいのではないかと。失礼な言い方かもしれませんが、昔の悪いときの中村俊輔、みたいな。

ちょっと心配性過ぎますか。

いつにも増してゴール裏を青く染めた福岡サポーターの勝利のチャントが鳴り響く。それも相当な声量で。最後は「井原!井原!」という監督のチャントまで。試合前からその福岡サポーターのゴール裏から繰り出される力強いチャント。メインにもバックスタンドにも、青いレプリカユニフォームの人数を見るにつけ、否が応でもわれわれのボルテージも上がっていたところでした。それは同じ九州のチームでも、大分でもない、北九州でもない、長崎でもない。どことも違った感覚。

九州初のJリーグチームとして発足した「福岡」。長いこと憧れの存在であり、追いつけ追い越せと強く意識してきたチーム。その背中に手が届きそうで届かない。いつまでも鳴り続ける福岡のチャントが、この敗戦を一層悔しいものに感じさせたのは、そんなせいかも知れません。

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