【J2第39節】(金鳥スタ)
C大阪 1-1(前半0-1)熊本
<得点者>
[C]パブロ(53分)
[熊]上原拓郎(37分)
<警告>
[C]山口蛍(39分)、田代有三(77分)
[熊]清武功暉(4分)、嶋田慎太郎(81分)
観衆:10,194人
主審:上田益也
副審:村田裕介、津野洋平

「勝点1じゃダメなんだと、勝点3を俺たちは取りに行くんだという試合を、最後のアディショナルタイムまで、お互いが出し切った試合だった」(Jリーグ公式 小野監督コメント)

プレイオフ圏内の6位までの勝ち点差が7の熊本。そしてセレッソ大阪も3位福岡までの差7という、互いに”負けは許されない”という対戦でした。

C大阪の前線には玉田と田代がいて、中盤は山口蛍や扇原が締める。こんなガチンコのメンバーのセレッソと、この終盤こんな状況(モチベーション)で対戦する楽しさ。緊張感と高揚感。そんな気持ちでキックオフを待ちました。

20151101C大阪

いつも通りの自分たちのサッカーをすることをわが指揮官は言い渡して選手を送り出したはずです。熊本は、相手が格上のセレッソだろうがなんだろうが、強い気持ちで前から奪いに行く。前節は磐田に研究されて交わされたプレス。しかし、躊躇など微塵もなく、今節もいつも通り貫いていく。

平繁が右サイドからドリブル。股抜きでエリア内に侵入しようとしてクリアされる。対するC大阪も、園田が玉田を倒してPアーク左でFK。玉田の左足から放たれたボールは壁でブロック。

しかし、1万人のホームの応援を背にしたC大阪。徐々にポゼッションを高める。右サイドからのクロスに、中央で田代のヘディングはダニエルがキャッチ。続いても、裏へのボールにオフサイドを狙った園田に対し、マグノクルスがそれをかいくぐった。前に出てきたダニエルが入れ替わられる。エリアに侵入するマグノクルス。なんとか園田がカバーに入ってクリアします。危ない危ない。

熊本はセレッソの攻勢を”受ける”かたちが続く。バイタルでボールを回すセレッソ。最後のところで撥ね返す熊本でしたが、ここでセレッソにアクシデント。マグノクルスが痛んで、自らバツ印を出す。代わって急遽パブロを入れることになった。「予期せぬカードを1枚切らせることになった。よしよし」とわれわれは思ったのですが、いやいやパブロという選手、前回も対戦していますが…。入ってすぐに左サイドのパス交換から股抜きでシュートまで持っていく。後半に”痛い目”に合うことになるとは…。この交代劇。果たして”よしよし”と言えたのかどうか。

歓喜はそんななかで熊本に訪れました。37分、上村が右サイドの養父にパスを送ると、それまでボックス内ニアサイドに味方を走らせていた養父が、それをチョイスせず、中央に張っていた齊藤にクロスを入れる。齊藤がDFを背負いながら胸トラップで落として左にはたくと、上がってきたのは上原。トラップして浮いたボールを得意の左足で振り抜いた。ゴール右隅に突き刺さります。養父の選択、齊藤の技術と判断、上原の思い切りのいいプレーが生んだゴール。上原にとっては嬉しいJリーグ初ゴールでした。

さらにその直後、右から縦に平繁が入れて、齊藤がマイナスに落とす。上がってきた清武のダイレクトシュートは惜しくも枠の右。完璧な崩しでしたが追加点は成らず。

セレッソは、その意図するとおりサイドチェンジを多用してピッチを大きく使う。最後のクロスはダニエルがその高さでセーブする。あるいはエリア内の短いパス交換には、喰らい付くようなディフェンスでカットする熊本でした。

ハーフタイム。1点ビハインドを背負ったセレッソ。アウトゥオリ監督の指示はどんなものだったのか。具体論それとも精神論に終始したのでしょうか。後半開始すぐに、右サイドから、この日無尽蔵の運動量で気を吐いていた関口。パブロ、小暮とパス交換。再びパブロに渡りグラウンダーのクロス。これをマイナスに出すと山口が狙いすましたミドルシュート。しかしこれは左ポストに跳ね返り事なきを得ます。セレッソらしい攻撃でした。

そして迎えた53分。セレッソの右CK。玉田の左足から放たれたボールに、ニアに飛び込んだのはパブロ。「(CKで)あの位置から枠に飛んでくるのは、自分のなかでなかった」(熊日・ダニエルのコメント)と言うとおり、ゾーンで守る上原の前に入って頭で反らしたボールは、見事に角度を変え、ダニエルの手をかすめ、ゴールに吸い込まれました。

流れのなかでは点が取れなかったセレッソ。セットプレーで取り返す。

その後は、互いにオープンな、攻守の切り替えの早い展開。激しいゲーム。熊本もサイドチェンジを使いながらエリアに入れていく。セレッソはエリア内中央を崩そうとする。

熊本の左CK。ショートコーナーのクリアからセレッソがカウンター。関口が持ち上がると、左の山口に。1対1とも言えた山口のシュートをダニエルがクリア。超ファインプレー。

右・田代から左・パブロへのパス。パブロが切り返してのシュートは枠の外。仁王立ちのダニエル。その存在感、威圧感に恐れをなしたかのように。熊日が書いたようにダニエルの「獅子奮迅の活躍」が、熊本のゴールマウスをセレッソに破らせません。われわれの目には、すでにシュートを打つ前に勝負あったようにも見えました。

熊本も再三のチャンス。決定機は右サイド養父からの低いクロスが嶋田、齊藤の前を抜け、巻が完ぺきなダイレクトボレー。一瞬、決まったか…と。しかしGK真正面。サッカーの女神は微笑まなかった。

互いに勝ち越し点を奪えないまま終了のホイッスルを聞いてしまいます。激闘でした。ちょっと感動すら覚えるような。膝を抱えるように座り込む両チームの選手たちの多さが、この試合の両者の”ハードワーク”と、そして失った勝ち点2の”重さ”を物語っているようでした。セレッソは、これで自動昇格圏内を諦め、プレーオフを戦うことを覚悟せざるを得なくなった。

強豪・C大阪とアウェーで戦いドロー。これまでだったら”御の字”の結果と言えたでしょう。終盤は引き分け狙いのゲーム運びもあったはず。しかし、今はまったくそんな意識はない。この相手こそ、プレーオフなら倒すべき相手そのものなのですから。だからこそ勝ちたかった。勝たなくてはいけなかった。

順位は11位に下げたとはいえ、6位長崎との勝ち点差は6。熊日は「プレーオフに望み」と見出しを付けましたが、残るは3試合のみ。勝ち続けて勝ち点9を上積みするしか”可能性”は残っていない。他チームの勝敗を計算するもなにもない状況。けっこうじゃないですか。

今季5月の千葉戦で敗戦し5連敗のなか、最下位に沈んだときのエントリーにこう書きました。「上等だ。わかりやすいじゃないか。ここから這い上がっていくしかない。」

そして、チームは文字通り這い上がってきました。この位置まで。あのときと状況は違いますが、気持ちは似ています。開き直って、勝ち続けるしかない。その先にしか結果はない。シンプルで分かりやすいです。ただ勝つしかない。それが次節のただひとつの目標です。残り3ゲーム。1試合1試合がラストゲーム。迷いも、雑念もない。澄みきった気持ちで存分に戦おうじゃありませんか。

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