お元気にしていらっしゃいますか、皆さん。

熊本市内ではなんとか徐々にインフラも復旧し始め、生活の質を取り戻しつつありますが、益城、南阿蘇では倒壊した家々はまだそのままで、ここにきて局地的な復旧には大きな差が出てき始めたような気がします。前震と呼ばれる4月14日の第一震からもうすぐ一カ月を迎えます。もう一カ月と言えるのか、それともまだ一カ月というべきなのか。

われわれ自身は、身内を失ったわけではなく、住む所を失ったわけでもなく、仕事も失ったわけではありません。しかしあの日から時折フッと襲ってくる“喪失感”のようなもの。熊本の色々なところが“壊れ”、それらを元通りに(あるいは全く新しく)するために費やすであろう膨大な時間と労力を思うと、頭がクラクラしてしまう。それも喪失感のひとつと呼べるのかも知れません。そしてその中に、あれから5試合のホームチームの試合中止。毎週末にあるべき試合がない、観られないという喪失感も加わっていることは間違いありません。

ようやく今週末のアウェー千葉戦からリーグ戦に復帰します。ファンにとっては待ち望んだ試合。しかし、やはりというべきか翌週22日のホーム水戸戦は、うまスタの利用に見通しが立たず、なんと柏のホーム日立台を借りて、熊本のホームゲームとして開催するということが発表されました。過去、県外で熊本のホーム戦開催は、鹿児島・鴨池競技場での徳島戦がありましたが、あのときの事情とは全く異なる。柏はもとより、この試合実現の調整にあたっていただいた多くの関係者に感謝の言葉もありません。

そしてもし、出来うるならば。日立台という彼方の地で。この日の「ホーム」スタジアムを他チームのサポーターにも協力いただいて、何とか埋め尽くすことはできないだろうかと。もちろん柏のサポーターの助けも借りたい。でも出来ればJの色々なチームのサポーターに応援に来ていただけないだろうか。こんな時に年寄りのわがままなのはわかっています。

目をつぶってイメージしてみると、そのときのゴール裏は決して真っ赤ではなくて、黄色や青や緑や紫も混ざった万国旗のようなカラフルな色で。それが温かく、そして力強く、とてもありがたいもので、素晴らしく誇らしい姿なのではと思うわけで。

被災地に県外から数千という支援の人々が入り、県外ナンバーの工事車両が行き来した。岐阜県警の若い警察官が近所を見回ってくれ、奈良のNTTからひかり回線の復旧工事に、宮崎市水道局の若手が水道を開通してくれ、大阪弁の老技師が危険度判定の赤紙を貼ってくれ…。そして、そんな遠来の男たちは黙って自分の仕事をし、帰り際に「大変だったですね」と心に沁みいるような言葉を残してくれる。こちらもクタクタだったけど、あんたたちこそ寝てなかったでしょうに。

そんな彼らのとりどりのユニフォームが行き交う当地の景色に重なるようなゴール裏。そんな日本各地の人たちが「熊本!熊本!」と、シンプルなチャントを一緒に歌ってくれたなら。それはこの上ない応援のような気がするのです。

もちろん待ち望んだリーグ戦復帰とはいえ、不安は拭いきれません。全体練習が再開されたのは今月2日。わずかこの2週間で選手たちのコンディションは調整できたのか。選手たちはサッカーが出来る喜びを各種の報道で語っていますが、余震が続く生活のなかでフィジカルはもとよりメンタル面は果たしてどうなのか。

被災地の激励に訪れたリオオリンピック日本代表監督の手倉森氏は、東日本大震災の際、仙台を指揮していましたが、「あのときはリーグ全体が中断した。しかし今回は彼ら(熊本)しか中断していない。彼らだけの試練。それはかなり苦しいこと」(RKKラジオ・ビバロアッソRadio)とインタビューで指摘しました。そして、「被災地で苦しんでいる人たちの救いにならなければいけない」だろうと言う。その”使命感”をやりがいに代えて頑張ってほしいという、経験値から言える重い言葉でした。

しかし、復興への熱い思いが、「勝って欲しい」という気持ちに集約されて選手たちを後押しすることはあっても、決して選手たちに、「復興のシンボル」のような”重責”を背負わせるわけにはいかないなとわれわれは思っています。

そんな、まだまだ整理しきれない思いのままのエントリーです。15日のリーグ復帰戦までもうすぐ。残念ながらまたテレビ画面越しでの応援となりますが。このゲームに向かうチーム、サポーターと心はひとつにあります。

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