【J2第23節】(ニッパツ)
横浜FC 1-1(前半0-1)熊本
<得点者>
[横]イバ(86分)
[熊]八久保颯(3分)
<退場>
[熊]巻誠一郎(45分+4)
<警告>
[横]イバ(45分+1)
[熊]巻誠一郎2(13分、45分+4)、片山奨典(40分)、嶋田慎太郎(85分)
観衆:3,296人
主審:藤田和也


ふと思い立って横浜に行ってきました。何年ぶりでしょうか。飛行機が遅延して、三ツ沢に着いたのはキックオフぎりぎり。ゲーム直前にあったという南や市村の熊本へのメッセージ映像は見られず。

落ち着かないアウェーのスタンドで、自分ひとりまだ試合に入りきれない(笑)でいると、南が横っ飛びして横浜のゴールネットが揺れている。ん?八久保?

あとで録画を確認しましたが、自陣奥深くからの植田のFK。前線の巻が競って落としたところにDFのクリアが小さい。そこに詰めた八久保がダイレクトボレーで抑えたシュートを撃つ。ゴール左に突き刺します。開始3分の先制弾。初先発となった八久保が、幸先良くリーグ戦初ゴールを決めてくれました。

しかしすぐあと。横浜の左CKにニアサイド、190センチのイバが頭で反らしたボール。わずかに右に外れてくれましたが、ヒヤリとします。

「これまで3試合かなり失点が多かったので、もう一度、守備から入ろうと、それもただ守るとうことではなくて、ボールを奪いにいく守備が自分たちのサッカーだということをもう1回確認した」と言う清川監督(公式)。久しぶりにミッドウィークの試合のなかった熊本は、この試合、布陣を4-4-2に戻すと、球際が実に激しい。ファウルの笛も致し方ない。

そしてそれは、ここ10試合中1勝しかしておらず、しかも現在2連敗中という横浜も同じ。特に右SBの市村は、被災地である古巣との対戦に特別な感情を持つのか。対面する元同僚の片山との攻防も激しくやり合っています。

20160716横浜FC

12分頃、熊本のハーフウェイライン付近からのFK。前線で巻と競った田所が頭から流血し、巻にイエローが示される。ここで主審の巻への印象、肘の使い方の印象みないなもの…、が決まってしまったように思います。

イバの身体の強さ、懐の深さに手を焼きながらも、なんとか守っている熊本。八久保がボールを持つとドリブルで駆け上がりゴール裏を沸かせる。前半終了間際の連続したピンチもなんとか凌いでこのまま先取点を守って前半を終わりたい。もうラストプレーだろうというときでした。自陣手前のGK佐藤の蹴ったロングボールに競った巻。笛が吹かれ、肘を使ったと主審が右手で2枚目のイエロー、続いて左手でレッドカードが提示されます。

「退場は皆が戦った結果だ。ここは皆がもう1つチームとして頑張れるか。絶対パワーを落とさず、あきらめないこと」(公式)。ハーフタイムで指揮官は、巻をかばうと同時に、残った10人の選手たちをそう鼓舞して後半のピッチに送り出しました。

横浜は後半開始からカズに代えて野崎を投入。出だしから猛攻を仕掛けます。

ボールを持ち続けられる熊本。当然、前線からのファーストプレッシングはかからず、横浜のサイドを大きく使ったボール回しに、必死にスライドして対応する。奪われるスタミナ…。

指揮官は、「ある程度のところはブロックを引かなければいけないし、そこからボールを奪いに出て行って、カウンターを仕掛けようと思って」(公式)、平繁に代わって齋藤を入れる。続いて中山に代えて嶋田。

しかし、齋藤を一人前戦に残して、残りの9人がエリア内で懸命に横浜の波状攻撃を撥ね返している熊本。なかなか齋藤にいいボールが渡る気配はない。

一方の横浜も、単調なクロスは中が厚い熊本に撥ね返され、最後のシュートも精度がない。時間はどんどん過ぎていき、横浜のゴール裏のフラストレーションも貯まります。

残り時間も15分近くになって、横浜が高さのある大久保を入れると、清川監督はDFラインに鈴木を入れて3バックに。決して、このまま逃げ切ろうという意図ではなかったとは思うのですが…。

40分、エリア内まで戻って守備をしていた嶋田が、市村を倒したという判定でイエロー。主審がPKを宣告します。もはや4試合連続になるPK。

キッカーはイバ。佐藤も読みきったのですが、その手をかすめてゴールネットを揺らされます。

贔屓目と言われればそれまでですが、横浜はこの1点を取るのがもはや精一杯で、熊本はまだたっぷり残されたアディッショナルタイムまで勝ち越し点を狙いにいったと思います。決して悪い戦いではなかったし、選手たちの意図も明確に見えていました。赤く染まったゴール裏も、応援の声を最後まで緩めませんでした。

結局、八久保の初ゴールは決勝点にはなりませんでしたが、大敗が続いた連敗をここで食い止めたということの成果は決して小さくない。山形戦のとき、「こういうときこそ新しい力、フレッシュな戦力の台頭が必要な気がします」と書いたことも、現実になりました。

ただ、もっともっと新しい力が出てきてほしい。それについては、紅白戦しか出来ず、対外練習試合が行えない、若い選手のゲーム勘がなかなか養えないというのも、震災の大きな影響なのかも知れません。今後の国体や天皇杯に期待したいものです。

布陣を変更してからの失点で、3バックに疑問符を付ける向きもありますが、「震災前から後半を凌ぎきれるかどうかが課題だった」といつかも書いたとおり、今日はしかも一人少ない状況で走らされ続け、あの時間帯にきたときの指揮官の選択肢としては、間違いではなかったと思います。

それにしても、毎試合毎試合、退場やらPK献上やらでゲームが落ち着かない。これもまた連戦を含めた何か熊本に課せられたもののように思えて来たりします。新米監督も試され続けますね。

「判定は言い訳にならないし、チームとして一人一人が強さを出してくれていたので、10人でも耐えていた。後半は外から見ていて、勇気ももらえた」(公式)。そう巻は仲間たちを称えました。きっと今も時間があると避難所まわりを続けているのでしょう、この暑さも加わって疲れているに違いない。出場停止の次節は、ミッドウィークの試合。チームとしては、巻に休養を取らせるちょうどいい機会と、これもまたポジティヴに捉えたい。

そんなことを考えながら、港方面で上がる花火を横目に、三ツ沢球技場をあとにしました。皆さん、お疲れさまでした。

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