【J2第27節】(うまスタ)
熊本 1-2(前半0-0)長崎
<得点者>
[熊]植田龍仁朗(90分+3)
[長]岸田翔平(62分)、永井龍(90分)
<警告>
[熊]園田拓也(56分)
[長]永井龍(90分+4)
観衆:6,572人
主審:山本雄大


ホームでやってはいけない試合でしたね。結果はともかく、内容、パフォーマンスという全ての意味において残念でした。

うまスタに復帰して3度目のホーム戦。日が沈んだ19時キックオフの試合といえども、日中35度以上を越えた気温を下げきれないスタジアムに風もなく、67%という湿度の数値以上に蒸し暑さを感じさせていました。

熊本の先発には前節出場停止だった清武と上原が戻り、平繁との2トップの一角には前節Jリーグデビューを果たしたばかりの若杉。そして右SHには八久保という若い攻撃陣には、大いに期待しました。

対する長崎は、第2クールに入って4勝1敗。FW永井が13ゴールでリーグ得点トップタイを走る。この戦いの前まで、勝ち点33で10位に位置している。

「前回対戦した長崎とは違うチームと思わなければならない」(スカパー)という清川監督のスカウティングのコメントも、もはや聞き飽きた感のある当然の言葉で、リーグ戦のなかでどのチームも成長し、戦術を深化してさせているのは当たり前。(もちろんわが熊本もそうあらねばならないわけで。)

20160807長崎

前節、大いに嘆いた球際の攻防。この試合、序盤を見るだけでは、厳しさが戻っているように感じたのですが。しかしセカンドボール奪取に優れる長崎に次第に支配される。7分、長崎は中盤から右へ大きくサイドチェンジ。奥から岸田がワンタッチでニアにいた養父に渡すと、養父のグラウンダーシュートは枠の左をかすめる。ファーに詰めていた選手が合わせれば1点のシーン。

続いても長崎。クリアを拾ってDFの高杉がエリア侵入。左からのシュートは右に反れて事なきを得ます。

一方の熊本は、攻撃に転じてもサイドで蓋をされ、中盤で挟み込まれ奪われる。戻りの早い長崎の敷くブロックの前に、後ろでボールを”回させられる”ばかりで、前線に有効なボールが入らない。引き出す動きも、裏を取ろうという動きも少ない。とうとう前半はシュートゼロに終わってしまいました。ワクワクさせたシーンも皆無で、控え室に帰る選手たちにブーイングの声も飛んだのではないでしょうか。

翌日の熊日の報道によれば、清川監督のプランは「前半しのいで後半勝負」だったのだという。ちょっとわれわれは首をかしげました。前節、前々節と、球際の厳しさを嘆いた指揮官。相手を上回るその勢いを持って、試合開始から猛攻するのがわがチームの信条ではなかったか。せめて「前半しのいで」というのは、ボールの保持率ではどうしても劣る、清水や千葉相手のときのプランではなかったか。ちょっと長崎をリスペクトしすぎではないのか。と。

そんなゲームプランが、前半の”攻勢への消極性”に、もしも繋がっているのであれば、それは、”熊本らしさ”ではなく…。

一番の違いは中盤でしたね。もちろん互いにシステムは違うものの。長崎の3バックは、その前のアンカーの田中に変に負担をかけることなく。その前の梶川と養父の運動量で、熊本の攻撃の芽を潰す。高木監督時代や、小野監督時代にアグレッシブさを培われた養父の”泥臭い”までのプレー。そして今、高木監督の信頼を集めているのがよくわかる梶川の”気の利いた”プレーとその運動量。

その長崎の前に、完全に後手に回る熊本。常々思うのですが、小野サッカーから通じる今の清川サッカーも、ボランチの”出来”が勝敗を左右する大きな要因です。(それは3バックのときが一番顕著だと思うのですが)

62分、長崎のスローインからPエリアで落としたボールを拾って撃たれる。GK佐藤がクリアするものの、右から岸田が詰めていてシュート。先制点を奪います。

熊本も、八久保から代えて岡本を投入してからは、惜しい場面を演出しはじめる。しかし、後半アディショナルタイムが告げられるころの90分、長崎・永井がオフサイドをかいくぐり左からエリアイン。45度のシュートがゴール右すみに突き刺さり2点差となりました。

静まり返るスタンド。家路を急ぐ人たちも増える。

そんなアディショナルタイムの残り1分ころでした。岡本の強烈ミドルシュートを敵GKが弾く。詰めた清武。こぼれ球に反応して倒れながらも”足で”押し込んだのは、なんとDFの植田。「このままでは終われない」(熊日)と、このシーン、Pエリアまで上がっていました。

熊本としては”意地の1点”というしかありませんでしたが、とにかく火がつくのが遅すぎました。いつもなら得点の際に飛び上がってタオルマフラーを回すわれわれも、このときは座ったままでした。

「最後に1点を取られたが、ゲームの内容には非常に満足している」(熊日)。策士、長崎の高木監督は、そう試合後コメントしました。熊本のSBの上がりに蓋をして、エース清武は徹底的に潰し、帰陣早くブロックを敷いて隙を与えず、中盤の運動量で上回って奪い、カウンターで仕留める。フィニッシュの精度で、幾度もチャンスを潰したのは予定外でしょうが、戦術ははまり、結果的に先制点、追加点となりました。

熊本はその戦術にハメられましたね。高木サッカーに先制点を与えれば、追加点ならずとも、逃げ切りを図られるのはわかっているはずなのに。なのにどうして、「前半しのいで後半勝負」なのかが、どうしても解せないのです。3年間、ヘッドコーチを務め、高木サッカーの真髄を心得ているはずの清川監督なのに。

ただ、選手たちのパフォーマンスの”見劣り”は、指揮官の戦術うんぬんとは別の要因だったかもしれません。この日の気候に関しては、両者ともの環境条件なので言い訳はできないはずですが。コンディション調整の不良なのでしょうか。あるいは、フレッシュなメンバーの組み合わせによる連携不足が問題でしょうか。

これからまた続く連戦に不安だけが残る試合内容でした。

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