【J2第28節】(Ksスタ)
水戸 1-1(前半0-1)熊本
<得点者>
[水]ロメロ・フランク(53分)
[熊]黒木晃平(30分)
<警告>
[熊]黒木晃平(58分)
観衆:4,952人
主審:小屋幸栄


この試合は評価が分かれるところでしょう。追いつかれての引き分けは悔しいところですが、われわれは最低限でも勝ち点1を手土産にして帰ってきたチームに対して、拍手を送りたいと思います。

中三日の連戦は、アウェー水戸戦。あの感動的な柏台での”復帰後初ホーム戦”で破れてから、もう3ヶ月近く経とうとしているんですね。

その間、水戸では、あの試合決勝点を決めたチームのトップスコアラーFW三島が、シーズン途中でなんと同カテゴリーの松本山雅に電撃移籍。その穴埋めに、これも同カテゴリーの岡山から久保をレンタルしたばかり。控えに名を連ねます。ここ5戦は2勝2分1敗と、14位につけている。

2連敗中の熊本は、本来の球際の強さを取り戻したい。腰の違和感を訴えて休んでいた巻が、前線に復帰して”戦う姿勢”をチームメイトに示したい。DFラインでは植田を休ませその代わりに薗田。そして右SBが黒木。

20160811水戸

互いに探りあうような試合の入り方のなか、徐々にホームの水戸がペースを掴み始める。再三のCK。拾っては入れてくる水戸のボールを、最終ラインで撥ね返している熊本。

そんな展開のなかで熊本にもCKのチャンス。清武のキックをニアで園田が反らすと、中央で上原が飛び込みますが、ヘッドは枠の上。惜しい。

その後も水戸が押し込む。熊本はボールを持っても攻撃にスピードが出ない。その間にミス。次第にDFラインが大きくクリアするのみになり、前線の巻にも繋がらない。

しかし試合はわからない。先制したのは熊本。30分、左SB片山からのアーリークロスは、ゴール前で競る巻を横切って抜けていく。それを右から猛ダッシュで上がってきた黒木が拾うと、クロスではなく切り返してボックスに入ってくるなり左足を振り切った。微妙にバウンドしながらのグランダーのシュートが、GKの手をかすめてニアに決まります。

ここのところやや出場機会が減っていた黒木。意地の一発。彼の持ち味であるモビリティからくる、鮮やかな活躍でした。

自分たちが試合を支配していたという感じだった水戸は、首を傾げる。前半のうちに同点にしておきたい。熊本のDFの裏へスルーパス。船谷が抜け出しますが、この1対1をGK佐藤がナイスセーブ。アディッショナルタイムにも、スローインをボックス内で落とすとマイナスパス。これを水戸の佐藤がシュートも枠の右。熊本は全員の足が止まっていた。前節の1失点目の瞬間のようでしたが難を逃れます。前半のシュート数は水戸の6本に対して、熊本は2。

後半から水戸は、この日は前線の一角を務めていた船谷を下げて、久保を入れてきました。曲者の船谷がいなくなって喜んだものの、「立ち上がり、相手は出てくるぞ!」というハーフタイムでの清川監督の叱咤どおり、一方的に水戸が押し込んでくる。「シンプルにやっていこう!」という指示でしたが、耐え切れない。

53分、水戸の右からの侵入。平松、久保と渡る。熊本も2人、3人で挟み込みますが奪えない。ちょうどスクリーンプレーのようになって、左に出すとロメロフランクの前には誰もいない。ロメロフランクが迷いなくゴールに撃つばかり。同点にします。

そこからまだ多くの時間が残されていました。勝ち越すことも、あるいは勝ち越されることも出来る時間が。

熊本は中山に代えて嶋田が入ると、そこを起点にしてアタッキングサードを突く。カウンターから清武が右サイド上がっていく黒木にパス。黒木がエリア内に入ってすぐに撃てば、というシーン。DFが入ってクリアされる。

残り15分。試合を決定付けるのは、ここからの戦い方という感じでした。

水戸が右からアーリークロス。中央久保のヘッドはポストの左。続いても右からグラウンダークロス。間一髪久保に合わず。

熊本は巻に代えて若杉を入れ、岡本に代えてテヨンを入れるとアンカーの位置に。中を締めます。

前節はちょっぴり苦いホームデビューとなった若杉でしたが、87分、左サイドから上原入れると高柳が反らしたボールを若杉がシュート。これはなんとかGKがクリアします。

終了間際、水戸のFK。繋いでからの縦パスを受けたロメロフランク。フェイントで持ち替えての素早いトーキック。あわやというところでバーが救ってくれました。

“フーッ”。守り切った、凌いだ、という印象の試合でした。個人的なMVPは、この試合もナイスセーブを連発したGK佐藤でしょうか。先制したからこそ、勝ちたかったのはやまやまでしたが、水戸の圧力は厳しかった。

勝ち点1しか積み上げられなかった熊本は、これで順位をひとつ下げて18位。下には4チームしかない状況になりましたが…。いやいや、最後にこの日のこの勝ち点1が貴重な積み上げだったと言えるといいなと思います。

「ここ数試合、後半の15〜20分で失点してしまっている。前半の得点に関わらず、あの時間帯で失点してしまうと、どうしても最後、押し込まれてしのぐ時間帯が長くなるので、修正していきたい」。それが指揮官の試合後のコメントでした。確かに後半早々の失点が多い。後半の入り方。90分の試合運びのなかでの重要な課題です。

闘将・巻は82分に退くまで、期待どおりにピッチの同僚たちに”戦う姿勢”を伝えてくれたと思います。まだ得点もなく、この日もシュートに絡むシーンもありませんでしたが、この人が前線に居る居ない、ファーストディフェンダーになるならないは大きい。やはりチームとって大きな存在です。

ただ、どうしても巻が前線で構えていると、さほど苦しい展開でもないのに中盤を省略して前線に預けたがる傾向がチームのなかにあるようで。単調なロングボールは相手に対応され、自らのリズムを手放す結果になっているような。せっかく巻が復帰したチーム。組み立ての攻めあがりと、まだまだうまくバランスしていないなあと思いました。

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