9月18日(日)
【J2第32節】(うまスタ)
熊本 0-0(前半0-0)岡山
<警告>
[熊]上原拓郎(74分)
[岡]篠原弘次郎(45分+1)
観衆:4,404人
主審:大坪博和


「だから我々も謙虚に、熊本相手に1をしっかり取ったということで。次ホームに帰って、よりアグレッシブに進んでいけるように準備したいと思います」(熊本蹴球通信)。敵将・長澤監督は、ドローに終わったこの試合後のインタビューで、最後そう結びました。

「このゲームに入るにあたって、熊本が連戦を終えて、気力十分に来るよと。要は、開幕でスタートダッシュした時の状態で必ず来るはずだという入りをしました。本当に熊本は大変ななかをくぐり抜けてきたチームでスピリットは十分なので、そういう意味では本当にタフなゲームになると。だから、順位とかお互いの持っている背景とか、ほぼ関係ないということでゲームに入りました」(長澤監督)と言う。さすがのチームマネジメントでした。

リーグ4位の岡山は勝ち点56。「リーグ4位の44得点という強力な攻撃、同時にリーグ5番目の失点の少なさを誇る守備と、攻守にバランスが取れたチーム」(熊本蹴球通信)と井芹さんも書くように、前線にはガンバからレンタルの赤嶺がいて、熊本キラーの押谷がいて、中盤には五輪代表の矢島が控え、DFラインには元日本代表岩政、加地までいる。リーグ5連敗中の熊本。ホームのアドバンテージはあるとはいえ、強敵を迎えました。

20160918岡山

熊本は相手の3-4-3のシステムに対して、テヨンをアンカーに置いた4-1-4-1の布陣で対する。前節の愛媛の3バックに対しては、ほとんど練習でも試していなくて、「奏功したようには見えませんでした」と書いたわれわれは、今日も少なからず不安がありましたが、1週間という本来の準備期間に戻ったせいもあるのか、この試合ではその良さが発揮されましたね。

試合開始早々、岡山に与えたCKからゴール正面、岩政の高い打点のヘディングにヒヤリとさせられる。同じような場面は28分頃も。これは植田、小谷がきっちりと寄せて岩政も枠の上に飛ばさざるを得ない。それにしてもセットプレーは怖い。

4-1-4-1は、中盤の厚さを活かすシステム。この布陣だと、特に上村の良さが引き出されるような気がします。プレスもはまる。短いパスも回る。26分頃、清武が左にはたくと上原がダイレクトでクロスを入れる。ニアに飛び込んだ高柳でしたがDFのブロックに阻まれる。

前半終了間際には、清武がDF3人を相手に抜きさり、右サイドからグラウンダーのクロスを入れますが、ファーに届く前にGKが入ります。

「できるだけ下がらずに、できるだけ前で押し上げていこう」とハーフタイムで指示した清川監督。後半に特に得点力のある岡山を警戒します。

前半は神経戦のような様相でしたが、後半は一気にオープンなカウンター合戦に。スタジアムが沸く。嶋田が痛んで八久保に交代。岡山は押谷を下げて豊川を入れる。豊川も凱旋試合で気合十分。

ここからは両チーム守護神の意地のぶつかり合い。スーパーセーブの競演。

敵陣中央やや左で得たFKを清武が壁のむこうワンバウンドでゴールを狙うと、GK中林が横っ飛び、片手でクリア。今度は、岡山の右サイド奥からマイナスぎみのクロスに伊藤の右足アウトに掛けたシュートは佐藤がパンチングで逃れる。

決定的だったのは、矢島のパスがずれたところを逃さず奪った上村のスルーパスに清武が抜け出しゴールに迫った場面。しかし、追いかけたDFの右からスライディングでシュートコースを失い、GK中林のブロックに。高く上がったボールもキャッチされてチャンスを逸しました。ワンテンポ遅れる…。まだ本調子とは言えない。

終了間際にも、岡山のスローインを佐藤がパンチングクリアからのカウンター攻撃。巻が右を追い越した清武にパスすると八久保も追い越してきましたが自ら撃つ。しかしシュートは枠のわずかに上。

仕留められない。まさしくそんな感じ。終了の笛を聞いてピッチを叩く清武。

「前節や前々節も自分にチャンスがあって、必ず決めなければいけないなかで、(今日の決定的な場面で)シュートが遅れてしまい申し訳なかった。そこを決めないとチームも勝てないので、練習からまたしっかりやりたい」(公式)とは、清武の反省の弁。

ただ、「残りの試合が少なくなって、勝点を取らなければいけないので、今日の勝点1は大きいと思う」とも言う。

ゴール裏は、選手たちの奮闘に拍手を送り、翌日の熊日の見出しも「泥臭く 待望の勝ち点」とうたう。5連敗から脱し、ようやく手にした引き分け勝ち点1は、順位こそ18位と後退したものの、降格圏からの差を6から7(2試合分以上)にした貴重な1でもありました。そして同じく岡山も順位を下げたとはいえ、冒頭の長澤監督の言葉。「熊本相手に1をしっかり取った」と評価する。

痛み分け。

ようやく他のチームと同じように1週間のサイクルで戦えるようになった熊本。「必要としているトレーニングを入れることができた部分もある」と清川監督は言う。「この先また、1週間のサイクルでやれるので、もう1度いい状態で、ホームでの山形戦に備えたい」と。この試合の翌日も久しぶりに北九州とのTMが組めた。

そういう意味でも、強敵・岡山から得たこの勝ち点1は結構重みがありそうです。選手たちのメンタルにもいいように作用して、あの試合がターニングポイントだったと、シーズンが終わったあとに言えるように。次節・山形戦も気を引き締めて戦って欲しい。いい準備をして欲しいと思います。

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