10月2日(日)
【J2第34節】(下関)
山口 0-2(前半0-2)熊本
<得点者>
[熊]菅沼実(10分)、植田龍仁朗(33分)
<警告>
[山]ユン・シンヨン(43分)、三幸秀稔(90分+4)
観衆:7,609人
主審:三上正一郎


やりましたね。8試合ぶりの勝ち点3。しかも完封勝利です。

思えば4月9日の前回対戦のこの山口戦が、震災前の最後の試合。そしてそれは1-2の敗戦でした。7節にして順位は5位。しかし、スカパー実況の山崎アナの「もう連敗は許されない試合!」という絶叫に、まだまだ長いシーズンのなかで「『もう』とはどこからくる感覚なのか。」と、その試合のエントリーで苦言を呈しています。あれから色々なことがありましたが。17位の順位で迎えた今節。遠い昔のような感覚にも襲われます。

山口は、6試合勝利から遠ざかっており現在10位。一時期の勢いはないものの、前節も岐阜に2-3まで追いつく得点力はあなどれない。警戒すべきはボランチの庄司と三幸が作る攻撃。そして前線の中山の決定力。

対する熊本は、今節も4-1-4-1。ただし前線右サイドには齋藤を先発させる。J3対戦時に、山口相手に2得点している齋藤。そのイメージで山口に警戒させる意図もあったのかと。

20161002山口

山口のボールでキックオフ。2人でドリブルで持ち上がろうと試みる。”らしさ”を見せる山口に、熊本のボランチ上村は「『やっぱり、こうくるのか』と感じたという」。(熊本蹴球通信)「庄司と三幸の両ボランチにパスを出させない、ゲームを作らせないことを念頭においてゲームに入ったが、このファーストプレーでその意識がいっそう強くなった」と。

入りから飛ばしてきた山口は、左サイドを抜き去りクロス。抜けたところで右サイド拾ってバイタル右からグラウンダーで入れる。島屋がDFラインの前で受けると反転。迷わず右足を振りぬいた。ひやりとしましたが枠の右にそれます。

ただ熊本も、右サイド奥に送られたボールを齋藤が粘り強く奪って、エンドラインぎりぎりからクロスを送ると、ゴール前清武はダイレクトボレーシュート。惜しくもこれは大きく枠の上に外れましたが、「立ち上がりから構えることなく、アグレッシブにボールに行って、自分たちのプレーをしようということで」(公式)と清川監督が言うように、コンパクトな陣形から奪ってチャンスを作って押し込みます。

その姿勢が”実った”のが1点目。一旦DFラインまで下げたボールを植田がロングで放り込んだ。山口のDFとGKがお見合いするように重なり、DFのヘッドのクリアは真上に大きく上がる。菅沼が落下点に入り、クリアしようとしたGKのファンブルを誘うと、バイシクルシュートのように反転してシュート。ゴール枠に収めます。開始10分の早い時間帯でした。

キーパーチャージという反則はもうありませんが、GKがもんどりうったら、大半の場合攻撃側にファールの笛が吹かれる。キーパー側が守られる印象が強い。しかしこの場面、落下地点に先に入っているのは菅沼。あとから入ったGK一森が、菅沼のブロックに横転しただけでした。三上主審の目は確かでしたね。

その後も右サイドで上村が敵DFに挟まれるなか粘って反転切り返しから齋藤が縦に入ってエリアに侵入。シュートは惜しくも枠の上でしたが、山口の守備を大いに脅かします。

山口の攻撃に関しては、上村と中山で庄司と三幸を警戒すると、テヨンが前線に入るボールのコースを消し、CBの小谷と植田がCFに入るくさびのボールを潰す。山口の得意な、DF裏へのダイレクトパスを予測して対応する。山口に攻撃されても、フィニッシュ(シュート)まで行かせない守備を徹底していました。

33分。熊本の右CK。清武のボールは、ニアの植田の高い打点にピンポイントで合うと、反らしたボールはゴールイン。GK一歩も動けず追加点を上げ、前半のうちに2点差とします。山口は高さに弱点がありました。

しかし、指揮官はハーフタイムで「次の点を取るか、取られるかでわかれるぞ!」と、選手たちを叱咤します。2-0がサッカーで一番危ない点差。それを知ってのこと。前回対戦では、全く逆のシチュエーションでした。あのときは熊本が1点を返した。しかし敗れた。

後半のカギは、いかに陣形をコンパクトに保てるか。熊本は中盤を引き締めるために、この試合も中盤の中山に代えて村上を入れる。山口が福満に代えて岸田を入れ、中山との2トップにすると、さすがに山口に一方的に攻められ始めます。前半、面白いように転がってきたセカンドボールも、一向に取れなくなってくる。同じ頃に、頼みの清武が足を攣る。走れなくなる。

ここで我慢してラインを上げる必要がある。それが熊本の勝利の条件でした。ただ、見ていてわれわれは何故か負ける気がしなかった。勝気に逸る山口に、何故かゴールを割られる気がしなかった。前節、前々節に無失点で凌いだ長い長い時間を思えば、この後半くらいだったら自信を持って守りきれる時間に感じたのです。勝ち点1に終わった前の2試合がこの日は勝ち点3を確信させてくれました。

4-1-4-1なら守れる。失点しない。その自信は4試合目にして勝ち点3を呼び込みました。リーグ有数の攻撃力、得点力を誇る山口を零封。これはなにものにも替え難い、この時期の成果に違いありません。

順位は15位に上げ、降格圏21位金沢との勝ち点差は8となりましたが、残りゲームはあと8試合もあります。まだまだ安全圏と言える状況ではありませんが、3試合連続の無失点。ひところのチームコンディション問題も上向いてきた手応えがあり、この勝利の価値は小さくありません。ちょっとした転機になったゲームかもしれません。われわれは、今しばらくこの余韻に浸りたい気持ちです。

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