5月7日(日)
【J2第12節】(えがおS)
熊本 1-2(前半0-1)群馬
<得点者>
[熊]グスタボ(68分)
[群]チェ・ジュンギ(33分)、高井和馬(90分+5)
<警告>
[熊]黒木晃平(53分)、片山奨典(90分+1)
[群]岡田翔平(19分)、マテウス(90分+3)
観衆:4,777人
主審:清水修平


第4審判が表示した後半のアディッショナルタイムは4分。公式記録での高井の得点は「90分+5」となっていますから、その4分台に突入していたのでしょう。本当にラストプレーと言っていい時間帯でした。

熊本のゴールに迫った群馬。PA内で必死にブロックする熊本DF陣を前にして、何度も何度も入れ直す。その執念。最後は左へ回すと付ききれていない。高井が押し込んで、群馬が劇的な勝利をおさめます。

あとでDAZNで確認すると、ゴール裏では泣いている群馬女性サポーターもいましたし、ベンチから飛び出した控え選手やスタッフたちの喜びようも爆発していた。何よりもインタビューに答える森下監督の目も潤んでいるように見えた。

引き分けで得た勝ち点1しかなく最下位に沈んでいた群馬が、実に12試合目にして今シーズン初勝利を手にした瞬間。それは熊本がこの大型連休の3連戦で、3連敗を喫してしまった瞬間でもありました。

「何が何でも勝つためにやりたい」。そう試合前に言っていた森下監督でした(DAZN)。多くの対戦経験がありますが、この10試合は熊本に対して負けがない。相性は悪くない。そんな気持ちも群馬側にはあったでしょう。

迎え撃つ熊本は、連戦のなかでのコンディションを考慮して4人を入れ替えた。平繁、林、上原、園田が先発。

20170507群馬

「立ち上がりから向こうの食らいついてくるサッカーに対して受けるような形になっていまい、戦っていない姿勢の中でゲームを進めてしまい、情けないゲームをしてしまった」(熊本蹴球通信)。試合後、そう清川監督は反省します。

そうは言うものの、序盤の群馬のボール回しには最下位を納得させるような粗さも見受けられ、いつもよりボールを持てる熊本。ただそれが、指揮官が言うような「何とかなるだろうという気持ち」(同)に繋がったのかも知れません。前節の出来に相当危惧していたわれわれも、今日は前節よりは「いいんじゃないか…」という感触を持ってしまったのは、相手が攻守のバランスがまだ整わない群馬だという点を加算(減算)していなかったのかも知れません。

33分。その前にパク・ゴンが林からファールを受けて、回復のために長い時間が掛かります。その後に与えた群馬のCK。連続性が途絶え、ぽっかりと時間の空いたプレーに、「ちょっと危険だな」という予感がしました。松下の右足からのCK。ニアに入り込んだチェ・ジュンギが反らして流し込む。「1失点目のニアは練習から警戒していて、相手がそこを狙ってくるというアナウンスもあって全体で意識していたんですけど、実際はそこでやられてしまって。」(同)と、公式戦3試合目を迎えたGK野村が反省します。

前半のうちに同点にしておきたかった熊本でしたが、それは後半修正後の、68分になります。当初グスタボとの交代で用意した嶋田をなかなか入れないなと思っていたら、直前に痛んだ齋藤との交代。これが逆に奏功しました。68分、交代直後右CKに立った嶋田からふわりとしたボールに、ニアに飛び込んだグスタボが頭を振った。ボールはGKが弾いて、ゴールに吸い込まれます。沸き立つスタジアム。

追いついた熊本の方に運が見方すると思いました。後がない群馬の方が浮き足立つだろうと。11戦、群馬は勝ったことがない。焦りはゲーム運びに影響し、自信のなさが結局自滅に至らせるのではなかろうかと。熊本はそういう意味では、なにも焦る必要はないんだとも。

けれど群馬は、この試合を決して諦めなかった。FW高井を入れ、ボランチの松下を下げてまでも鈴木を投入。最後はマテウスを入れて、かき回します。

対する熊本も、グスタボの疲労を考慮して巻を入れますが、結局切れるカードはそこまで。前半早くに痛んだ小谷に代えて切った植田の交代カードがあったため、最後の最後で、ギアをシフトアップできません。

結局は、最後まで勝ちにこだわった群馬に対して、どれほど気持ちで上回れたのか。球際にしてもセカンドボール争いにしても、ハードワークしたのかという問題、それがメンタル面で問われるということになりました。

確かに、不甲斐ないと思うプレーがあちこちに…。何となくゲームに入っていった感じ。ミスを犯す以前にチャレンジさえしないプレー。前を向こうとしない消極的プレー。人任せのマイナスパス。守るにしても、取りきる姿勢のない間合いをとるだけのアリバイ・プレー…。低調なゲームでした。

われわれがそんなことを指摘する前に、指揮官・清川監督にも危機感があったようです。しかし、「どこかに隙があった」というほかないのでは、マネジメントを疑問視する気持ちも沸いてきます。

「1つ壁を越えましたけれど、まだスタートしたばかりなので、今まで通り、今まで以上にぶれずにやり続けたい」。わずか1勝手にしたばかりですが、群馬・森下監督はそう言い切ります。

”ぶれずにやり続ける”。そういう信念が、チームづくりにあるのかどうか。

この3連敗を受けて、ファンの声にも随分厳しいものがありますが、自戒を込めて言えば、その信念を感じられるかどうかが、チームを応援するに値するかどうかだと思うのですが。どうでしょうか。変えるべきところは変え、守るべきとこころは守れるか。それを今は観ていきたいと思います。

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