5月28日(日)
【J2第16節】(えがおS)
熊本 2-3(前半0-3)水戸
<得点者>
[熊]安柄俊(52分)、林祥太(57分)
[水]林陵平2(25分、28分)、前田大然(37分)
<警告>
[熊]嶋田慎太郎(49分)
[水]前田大然(60分)
観衆:5,300人
主審:小屋幸栄



「自分の伝え方が悪かった」(熊本蹴球通信)。試合後の記者会見で、清川監督はそう反省の弁を述べました。アウェー2連戦で岐阜に勝利し、千葉に引き分け、「戦えている」と書いた矢先にこの敗戦、というより前半3失点。われわれもガッカリしたのですが、指揮官は原因の整理ができているようでした。

20170528水戸

4-4-2のミラーゲーム。ロングボールの応酬で陣地を取り合うような試合の入り方。水戸は前線の前田を狙い、熊本は安を狙う。徐々に水戸がボールを持ち、熊本が熊本らしくカウンター狙いの様相に。安が平繁に預け、右の林に。林が戻して、この試合リーグ戦初出場となった右SBの三鬼が縦に速いパス。平繁がこれに追いつけず。

戦績も全くのイーブンの水戸に対して、この試合もここまでは全く互角のようでもあったのですが。しかし、どこか球際の部分でしょうか、この午後1時キックオフの”暑さ”を考え、消耗しないような戦い方に見えなくもありませんでした。

それは、試合後の植田のコメントで証明されました。「前半は暑さもあって、全部行ってたらもたないので、ある程度持たせてから行くということでやっていた」(熊本蹴球通信)。

「守備に関しての運動量が上がらず」(同)と指揮官は言う。「二度追いなどでもう少しプレッシャーをかけていければ、相手の攻撃の起点にも圧力をかけることができたかな」と。

それが出来ずに25分、奪われた左CK。ニアでクリアを図った片山のヘッドをファーで水戸・林に押し込まれる。すぐあとの28分にはロングボールを左サイドで落とした水戸。それが前線の前田に渡る前に植田がクリアしましたが、それが小さく。林に拾われると思い切りよく左足を振りぬかれ2点目を献上。3点目も前田へのロングボールが園田の頭を越え、前田が収めると園田は対応で出来ず滑る。シュートを一度はGK野村がはじき返すものの、拾いなおした前田。野村の動きを見極めて打ち直します。

ひとつ一つのところでは、選手個人のミスもフォーカスされがちな場面。確かにそれもありますが、しかし、ここまでの事態を招いたのはどうしても局面での球際の緩さに見えました。CBの一角の植田は、「11番(橋本晃司)のところで持たせすぎて、どんどん配球されて。プレッシャーがかからず後ろに下がってしまった」と言う。嶋田は、「なるべく食いつきすぎないようにとは言われていた」「ボランチが持った時には前を向かせないくらいのプレッシャーをかけないといけなかった」と反省する。

林と前田。取るべき人がきっちりと仕事をした水戸に対して、後半熊本はグスタボを投入します。この暑さのなかで、さすがのグスタボも本来のコンディションではないようでしたが、やはりこの人が前を向こうとすると相手のDFも人数を掛けるし、下がらざるを得ない。

52分。熊本のスローインから。片山が左からクロスを送ると、ニアで水戸DFがクリアしきれず中央の安に納まる。これを落ち着いて安がゴールに沈めます。

勢いを持った熊本は57分、右CKからファーサイドの安(それとも水戸・細川か)の折り返しのヘディング。それを中央に陣取った林が頭で反らしてゴールイン。2点目を奪います。

この後は攻勢の奪い合い。1点差に迫られた水戸は船谷を入れてくる。熊本は試合体力を考えたのか三鬼に代えて黒木。林に代えて田中。

1点のビハインドを、大事に水戸が保持しようと図るのに対して、熊本がボールを奪取しても、バックパスで安全策を取ろうとするプレーに対して野次が飛ぶ。「前を向けよ」「ホームだぞ」と。そう、負けている状況。「少しアバウトに入れてもいいとも思うんですけど」とDAZNの解説者もじれったそうに言うように…。

あとはアディッショナルタイム4分をしっかり水戸に守りきられて、熊本が敗戦の笛を聞く。

熊本の敗戦の全てが前半の戦いに集約されるのでしょう。指揮官が描いた「前半凌いで、後半勝負」という狙い(ゲームプラン)は、この午後1時という時間のキックオフ、先発とベンチの布陣、水戸の消耗を想定した交代カードと、理解できなくもないのですが。

「プレスに行くところと、少しブロックを組んで我慢しようといったところのバランスが引き気味で、行きづらくなった原因になってしまったかなと。そこは自分の伝え方が悪くて、重たいような動きになってしまったかなと」と、指揮官は具体的に反省します。

「(3失点は)ディフェンスラインのミスです」と植田は素直に言う。「前から行くと、寄せられなかったときにボランチとDFラインの間が空いてしまって、動かされてセカンドも拾われるから、それだったら行かずに後ろで守ろうというのが、それが持たせすぎちゃったのかなと」。2列目の橋本を自由にさせすぎたというのが、ここに表れます。

指揮官が描いたゲームプランと、その具体的指示。そこに問題があったことは間違いないでしょうね。「自分の伝え方が悪かった」という冒頭の指揮官の言葉が重い。

「そんなに器用なチームではないし、それなら”どっちかに”腹をくくらないと、中途半端になっていたかなと」という植田の反省の弁が、今のチーム状況を物語っているわけで。

さらにコンディションは厳しくなる真夏のサッカー。さぁこの敗戦をどう糧にするのでしょうか。次の試合、真価が問われます。

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