7月12日
第97回天皇杯全日本サッカー選手権【3回戦】(浦和駒場)
浦和 1-0(前半1-0)熊本
<得点者>
[浦]高木俊幸(45分+2)
<警告>
[浦]ズラタン(54分)
観衆:5,806人
主審:村上伸次


スカパーで観戦しました。翌日の熊日の見出しに取ってあるように「あと一歩」、惜敗というのが実感です。

2回戦で水戸を延長の末破った熊本が、J1浦和との対戦権利を勝ち取りました。本来、格下のホームで行われるはずだった3回戦ですが、15日に控えているドルトムントとの親善試合という浦和側の事情でしょうか、それともえがおスタジアムが空いていなかったのか、敵地・駒場での開催になったのは実に残念。浦和とは初めての対戦。ホームスタジアムに浦和を迎えることができたらどれほどの感慨だったでしょう。

リーグ8位を良しとしない浦和。ペトロヴィッチ監督は、リーグ戦の新潟戦、そしてこの熊本とのカップ戦での結果に、自らの進退を掛けると明言していたようです。新潟には勝利したものの、なんだか周囲の雑音も落ち着かないなかでの対戦。浦和は、スタメンを大幅に入れ替えて、熊本を迎え撃ちます。

対する熊本の先発も、リーグ戦のさなかの中3日とあって完全にターンオーバーが予想され、どんなスタメンかと心配されましたが。蓋を開けてみれば”総替え”、シャドーに林、嶋田。WBに齋藤、片山。ボランチにはコンバートされた三鬼。CBの中心には米原という布陣。しかし、これはこれでまた非常に興味深く、密かに期待を持たせる配置になっていて。試合前の池谷監督のコメントも「そんなにレギュラー組と控えとの力の差があるわけではない」(スカパー)と言う。

20170712天皇杯浦和

格上の浦和相手に、「チャンスは少なくてもいかに勇気を持って前につけたり背後に出したり、パワーを持ってやれるか」が大事と戦前話していた池谷監督(熊本蹴球通信)。いやなかなかどうして、開始早々から縦に付けるパス、裏を取ろうという意識のパスが、チーム戦術の浸透を感じさせる。

浦和は左サイドを破ってのアーリークロスから、FWズラタンのヘッド。しかし、これは枠を超えます。

しかし前半全体を通して浦和の攻撃は停滞している。「6:4か7:3くらいでボールを握られる展開になると思う」(同)と言っていた指揮官でしたが、熊本の守備がはまっている。浦和のボール運びは”型にはまっている”が、最後のところでパスミスや、フィニッシュの精度に欠ける。

熊本は後方から三鬼が縦に付けると、嶋田がすかさずスルーパス。齋藤が右から裏を取ってPエリア侵入。右足シュートはDFがスライディングで入りクリアされます。惜しい。解説の福田正博氏が齋藤のこのプレーに、「GKを二度見した間にDFに入られた」と言う。FWらしい解説。

ほとんど互角ではなかったでしょうか。前半のアディッショナルタイム。しかし浦和に与えたFK。このチャンスに立った高木の右足のキックは無回転。熊本がセットした壁を越え(グスタボのジャンプは甘かったかも知れません)、角度を落としてゴール右隅に転がり込む。これはGK野村にもノーチャンスと思える、高木を称えるべきゴールでしたね。

前半のうちに先制されると厳しいのは熊本の常。浦和は後半開始早々から怒涛の攻撃を仕掛けてきますが、なんとか凌ぐ熊本。

そんななかで、中盤でカットした齋藤が浦和DFを置き去りにして一気にドリブルで持ち込み右から入れたクロス。しかし、ファーに走り込んだ林に合わない。バウンドのせいか。それにしても同点の絶好機を逃しました。

後半は、疲労したせいもありましたが、かなり浦和にボールを保持されて、攻められましたね。しかし、粘り強くゴールを死守したし、浦和の拙攻にも助けられました。浦和はおそらくうちをスカウティングしていなかったでしょうし、メンバーの連携も熟成度がありませんでした。

勝利した浦和側になにか新たな”収穫”があったかどうかは知りません。が、しかし、熊本の方はと言えば、間違いなく大きな収穫を得た”敗戦”だったのではないでしょうか。

池谷監督の志向する3-4-3のシステムにおいて、十分なバックアップメンバーがいることが、この試合で確認できた。出色だったのは、SBからコンバートされた三鬼の出来。そして、米原のルーキーとは思えぬような落ち着いたプレー。

前節称えた村上のCBの働きが本職がボランチ上のこともあるならば、その控えに米原という存在は適正かと。それもこれも、開幕前のニューイヤーカップから緊急避難的に米原をDFで使っていたことも奏効したのかも知れないなと思うのです。

そんなこんな、選手たちの能力を最大限に活かすように。そしてそれを自らが目指す”組織”のなかに落とし込む。この池谷戦術は、前回監督を引き受けた2013年とはちょっと違うような気がしていますが、もう少しリーグ戦を見てからということで、そのことを書くのはまた別の機会にしたいと思います。

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