7月22日(土)
【J2第24節】(正田スタ)
群馬 1-1(前半0-0)熊本
<得点者>
[群]山岸祐也(51分)
[熊]八久保颯(63分)
<警告>
[熊]片山奨典(8分)、八久保颯(62分)、三鬼海(90分+3)
観衆:3,179人
主審:河合英治

森下監督。随分小賢しいことをするな…。などというのは言い過ぎでしょうか。

元々、阿部も 舩津もチーム登録上はDFの選手。それをこの試合のオーダーではわざわざMFで登録し、パク・ゴンにチェ・ジュンギ、そして加入したばかりのヨ・ソンヘ3人をDFとしたオーダー表で、いつものとおりの3バックと見せかけました。しかし、蓋を開けてみれば、森下・群馬としては初の4バック。この”奇襲”とも言えるシステム変更に、池谷監督のスカウティングも外されて、勢いもあって開始直後は随分苦しめられました。

まぁ群馬としては、前回対戦のとき今シーズンの初勝利を収め、その後1敗を挟み怒涛の3連勝。勢いを掴みかけたと思ったものの、現在7連敗中で降格圏内に沈んでいる。何かを変えるためにヨ・ソンヘを獲得し、そして4バックを試したい。その恰好の相手が相性のいい熊本だったのかも知れない。

そう思うと癪に障ると同時に、まんまと策にはまるところを、撥ね返してなんとかドローに持ち込み、勝ち点1を得て帰ってきたことは、とりあえず良しとしなければならないかも知れません。

もちろん池谷監督も、試合前から「受けてたつのではなく、チャレンジャーとして(前回敗戦の)リベンジする」(DAZN)と、選手たちを引き締めていました。熊本の先発は、光永を片山に、一人入れ替えたのみ。

20170722群馬

しかし、目の前の相手が試合前、監督やコーチから示されたスカウティングとは違うばかりか、ホームサポーターの声援を背にして勢いを持って攻めてくる。熊本は押し込まれます。それに、試合開始前の土砂降りの雨を十分に吸い込んだピッチに足を取られる。

12分頃。山岸がPアーク手前付近から右にスルーパス。そこに左から岡田が流れてきてPA侵入。熊本DF二人がスライディング。コースなく撃った岡田のシュートは、GK畑がクリアしますが、ちょっと危ない。

粘り強く対応していた熊本も、徐々に相手のシステムのなかでボールを動かせるようになる。

33分頃。右サイドからクロスを入れると、群馬DFのクリアが小さい。Pアーク付近で拾った八久保がすかさず足を振った。ゴール右上を襲ったシュートに、群馬GK牲川がわずかに触ると、ボールはバーに当たりこぼれる。そこに安が詰めましたが、牲川がなんとかセーブする。これは惜しかった。

前半を終えてベンチをあとにする際、レポーターからコメントを求められた森下監督。「粘り強くやっていくだけ」と、短く言い捨てるように去っていく。この”奇襲”作戦で前半のうちに先制点が取れなかったことを、相当悔しがっているように見えます。

「前半立ち上がりからの相手の圧力を耐えれた。後半立ち上がりも圧力をかけてくるかもしれないが、落ち着いてきたらDFラインから整えていこう」(公式)。それがハーフタイムのわが指揮官の指示でした。ピッチ内でイレブンも、時間は掛かったものの相手にアジャストした。それにこのハーフタイムで、池谷監督から細かい修正が図られたに違いない。

けれど、予想どおりの後半開始早々からの群馬の猛攻を耐えていましたが、遂に均衡が破れます。51分、カン・スイルが落としたボールを岡田が右へサイドチェンジのパス。右サイドから舩津が大きなクロスを送ると、右から山岸が小谷の背後にするすると流れる。ファーサイドでヘディング。先制点をもぎ取ります。飛び上がって喜びを爆発させる森下監督。

しかし、勢いづいた群馬にこのあと追加点を上げさせなかったことが大きい。まだ時間は早い。何も焦らず、切れずに粘り強く戦えるようになった。

そんな熊本に、相手の群馬に焦りが芽生えたかも知れない。解説の渡辺氏が、「(群馬は)開幕からずっと失点が続いている。選手の堅さが出るかも知れない」と言っていた矢先の63分でした。

群馬のCK。まるでアメフトのショットガンフォーメーションのように固まって散っていく群馬の選手。松下のキックはファーの選手へ。のけぞるように頭に当て、ミドルシュートに入って来い、というようなボールを拾ったのは八久保。クリアでなくそこからのカウンター。最初は「DFラインを上げる時間を稼ごう」(熊日)とドリブルで持ち上がると、「嶋田選手が良いところにいたので、出して入っていこう」と方向転換。左から上がった嶋田に預けると、その俊足を飛ばしてDFを交わしゴール前に入り込んだ。そこに嶋田からふわりとした絶妙のクロス。あとは頭で決めるだけ。今季2点目とします。

なんとか勝ち点3を奪いたい群馬も諦めませんが、このピッチ状況は、ホームの選手たちの足も止めさせ始めます。カン・スイルや岡田がサイドの奥に走り、クロスを上げますが、ゴール前に走りこむ選手の数も薄い。

熊本は安に代えて巻をワントップにしますが、特段、巻の頭をターゲットにしたロングボールを送るでもなく。嶋田と八久保が最後までバイタルを襲いますが、時間切れ。引き分けで終わりました。

相当に悔しがる森下監督と群馬の選手たちを見て、この一戦に掛けていた思いを感じました。よく言われる「この試合は勝ち点3ではなく6の価値がある」、そんな思いだったのかも知れない。降格圏に引きずり込もうと狙っていたのかも知れない。そういう意味では足をすくわれなくてよかった。勝ち点差を詰められなくてよかった。ドローにも価値がありました。

しかし、「同点より勝ちにこだわりたい」と言う八久保の言葉を待つまでもなく。前回対戦では、終了間際で勝ち越された相手。何があるかわからない終盤の戦い方には、少し不満も残ります。が、「どちらにも消耗戦だった」と池谷監督が言うとおりの試合ではありました。

指揮官も認めるように、90分間我慢強く戦うことができるようになってきている。それには自陣ゴール前で最後まで諦めない守備。そしてGK畑のナイスセーブも貢献している。

「最後のサイドやクロスはまだまだ改善が必要だ」と、攻撃への不満を口にした池谷監督。次の段階に進んだということでしょうか。次節、名古屋戦を控えてこの1週間は、どんな落とし込みをするのでしょう。負けなしで来ている7月の最後のゲーム。次はホーム。なんにしても楽しみです。

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