9月18日(月)
【J2第33節】(えがおS)
熊本 1-1(前半0-0)福岡
<得点者>
[熊]嶋田慎太郎(73分)
[福]ウォン・ドゥジェ(69分)
<警告>
[熊]園田拓也(86分)
[福]岩下敬輔(64分)、亀川諒史(88分)
観衆:5,202人
主審:三上正一郎


その瞬間、思わず椅子から腰が浮きました。時計は後半アディッショナルタイム。もうほとんど時間がない。最後に両チーム、オープンになった展開のなかで、中盤のチェイスから嶋田が拾って左へ運んで奥から柔らかいクロスを上げた。ゴール前にはグスタボ。ヘディングは、しかし、バーに当たると直下に落ちる。ゴールは認められず、勝ち越しを逃しました。

20170918福岡

台風18号の影響で、1日延期になったこの試合。熊本は安と嶋田の2トップで臨みました。「前に2枚置いて、オーガナイズを変えたなかで先制できれば」(熊本蹴球通信)というのが池谷監督の狙い。入場時は、前節で右膝前十字靭帯を損傷し6カ月の加療が必要となって戦列を外れる村上を思い、全員が背番号6のユニフォームを上から羽織って気持ちを統一。勝利を目指します。

しかし蓋を開けてみれば、思いのほか守備がはまらない。

福岡はウェリントンが、前節の愛媛戦での悪質行為で2試合の出場停止。これが発表されたのが15日。「(ウェリントン)対策でスタートしたので少し拍子抜けした部分はありますけど、逆に嫌なタイプが来た」(熊本蹴球通信・池谷監督)という面もあるかも知れません。前線には仲川、坂田。2列目に石津と山瀬。5試合勝利から遠ざかっている福岡。すでに長崎が大分を下して暫定2位に浮上していた。ここで熊本にしっかりと勝利して自動昇格圏の2位を取り戻しておきたいという気持ちは強かったでしょう。サポーターも多くが駆けつけ、ゴール裏を青く染めました。

前半は全くボールを保持できない時間帯が続きます。福岡の大きなサイドチェンジが続き、スライドで走らせられる。

前半唯一のシュートは、左45度からの安のFK。低い弾道で壁の右を通過するもGK杉山のパンチングに阻まれました。

前半を終えてすぐのDAZNのインタビューで「ランニングが必要になってくる。脇を取られているので若干の修正が必要」と語った池谷監督。後半から2トップを止めて、これまでの5-4-1に戻します。その効果もあって、熊本もセカンドボールが拾えるようになり、ボールを縦に入れ、カウンターの形も増えてきた。

58分のカウンター。中山から右の嶋田へ。嶋田が中央PA内の安にパスすると、更に詰める。安のトラップを入れ替わって奪うように近距離からシュート。これはGKにクリアされます。惜しい。

しかし逆に69分。福岡は途中交代のジウシーニョが、スローインを右サイド奥で粘ってマイナス角度でニアに入れると、上がってきたウォン・ドゥジェが右45度から打つ。植田が足を出して当てたものの、これが逆に災いして、ボールは高く上がってGK畑、DF小谷の頭を越え、ゴール左隅に吸い込まれてしまう。後半も半ばを過ぎた嫌な時間に痛い失点。

ただ熊本もすぐに取り返す。サイドチェンジぎみに左の片山にパスが通ると、中の状況を見極めた片山が持ち直してドリブル。これをジウシーニョが倒して得たPKでした。

嶋田がボールを持って離さない。ちょっと助走が短かすぎないかと心配したのですが、GKの逆を突き、鋭いゴールを決めます。同点。

一気に勢いづいた熊本に反して、福岡は三門に代えて前線に松田を入れて”勝ち越したい”。ここから、5試合勝てていない福岡のメンタルがマイナスに働いた面もあるかも知れません。

熊本は片山に代わって入ったアビスパの下部組織育ちの光永が、挨拶代わりのように左サイドを抉り、DFを交わして躍動。しかし、片山もそうでしたが、どうも最後のクロスの精度が甘い。

そして最後はオープンな展開のなか、冒頭書いたような決定機を外すと、熊本vs福岡戦、バトルオブ九州の一戦は、ドローに終わりました。

後半、かなり攻勢を得た時間帯もあったのですが、90分間を通してみたら、両者の今を象徴するような内容、結果ではなかったかと。

ただ指揮官は、「押し込むことは後半できていたので。最後まで走るとか戦うとか、そういうところはできるようになって、上のチームとやっても粘り強く戦えるようになったことは、自信として持っていきたい」(熊本蹴球通信)と言う。引き分けが続くなかでも、「どっちに転ぶかというゲームも多いので、そういうゲームがやれていることをプラスにとらえたい」と。

この積み上げた勝ち点1で、足踏みした19位讃岐との差は1に縮まり、下の山口とは5の差に広げました。前節のエントリーで書いたように、まさにこの状況では勝ち点1を積み重ねるサッカーがベースになるということ、そのものでした。

われわれにしては、PKとはいえ、久しぶりに自チームの得点が見られ、そのときにタオルマフラーを思い切り振れたのは、何よりの”吹っ切れ”感がありました。得点は何よりの”良薬”かも知れない。

しかし、指揮官は記者に問われて改めて応えます。「選手とも確認しているのは、残り9試合も最後まで(この状況は)続く」のだと。

それはすでにわれわれも覚悟を決めたこと。この試合の勝ち点1を見届けて、スタンドに挨拶に来た選手たちに、大いに拍手を送ったものでした。“次は勝てるぞ”、“絶対に負けないぞ”、という応援の気持ちを含めて。

TrackBackURL
→http://sckumamoto.blog79.fc2.com/tb.php/633-2613b25d