3月21日(水)
【J2第5節】(えがおS)
熊本 2-1(前半0-1)大宮
<得点者>
[熊]皆川佑介(47分)、安柄俊(85分)
[大]菊地光将(23分)
観衆:4,126人
主審:佐藤隆治


イやったーーー!!!。3連戦のなかでの連勝。しかも逆転勝利です。

ホームに迎えた相手は今季J1から降格してきた大宮。言わずもがな渋谷監督が、昨季途中まで指揮していた古巣であり、今は嶋田慎太郎が所属する”因縁の”チームでもありました。

対戦するのは2015年以来。ただしわれわれ熊本の”青の時代”を知るものは、「2015.04.07 大宮戦。後半2失点に泣く」に書いたとおり、ある種のシンパシーを大宮に持っている。時折大雨に見舞われるこの日、大宮のゴール裏サポーターが羽織るオレンジ色のポンチョは、まだチームグッズにポンチョなどなかった”青の時代”に、NTTロゴ入りが欲しくてわざわざネット通販で大宮のものを手に入れて、雨の九州リーグ戦には装着していたなぁ。などと思い出します。

大宮の布陣は4-4-2。迎え撃つ熊本は、前線・皆川の相方に巻。そして3バックの左に初めて園田を入れてきました。

20180321大宮

序盤の展開は五分五分でしたね。ただ、やはりJ1に居たチームだけあってパススピード、切り替えの早さがあるため、こちらも判断の早さを要求される。久しぶりに感じる感覚。熊本のパスがずれ、コンビネーションにもミスが目立ちます。スリッピーなピッチにも足を取られました。

前線のタワー、シモビッチもやっかいでしたね。空中戦は完全に制される。足元もうまい。

この試合も先に失点を許してしまいます。23分、右サイド、ちょうどディフェンシブゾーンに入るあたりからの大宮のFK。嶋田が一度フェイントを入れると、思わずラインを下げられる。そこにすかさず右足の大山が絶妙のポイントに入れてきた。勢いよく飛び込んだ菊池が頭で叩きつけて先制点とします。

「うーむ」という感じでしたが、熊本にチャンスがなかったわけではありません。27分頃にはCKの連続から作り直して前線に入れたクロスを皆川が頭で反らすと、中央には巻。GKも飛び出しクリアしますが、高く上がったボールに巻が素早く回り込み直して無人のゴールに流し込む。しかし、無念にもボールはポストに嫌われてしまいます。大の字になって悔やむ巻。

WBの田中は、序盤こそ中山からのスルーパスを受けてカットインしてシュートという新しい形を見せましたが、その後は大宮・河面に縦を切られて、なかなか前に行けない。警戒されていました。

大宮側には、このまま試合を運んでいけば、追加点もいつかは入るという思いがあったでしょうね。しかし、その思いを吹き飛ばしたのは、後半始まってすぐのプレー。渋谷監督も試合後、「後半スタートのセットプレーが、今日はもうキーだった」(熊本蹴球通信)と言い切る。

47分、左からのCKに立った八久保の右足から放たれたボールはニアへ。大宮DFの間から飛び込んだ皆川が、頭で反らすようにゴールに突き刺した。

雨雲を吹き飛ばすような得点。今季はセットプレーも期待が持てる。それも八久保のキックが俄然、光っているように思います。

大宮も慌ててギアを上げる。大宮の時間が続きますが、皆川が前線でプレスに猛ダッシュを続ける。まるでチームメイトを鼓舞するように。その姿を見てファンも沸きます。乗ってきた。

この時点で、中盤アンカーの位置には中山が入り、米原が一列前に出ているのに気が付きましたが、この意図はなんだったのか。試合後の会見で聞いてほしい点ではありました。

「怒涛のように攻められましたけれど、やっぱり体を張って、しっかりと守るというところに切り替えてやれたということ、選手たちがハードワークできた、粘り強く戦えた」(同)と、監督が勝因を語るように、ここを凌いだことで、また熊本は“いい時間帯”での逆転に成功します。

85分。左に運んで皆川が持つ。「自分がいいボールを落とせば、ビョン(安柄俊)さんが勝てると確信していました」(同・皆川)と語るように、アーリークロスをDFの間に入れた。「ミナ(皆川)が良いボールを送ってくれると信じて走った」(熊日)と言う途中出場の安。出し手の間合いと受け手の動き出しと、お互いに測りあっていましたね。カンフーキックのような体勢で足に当てると、GKも反応できず。ゴールに突き刺さります。安の身体能力でなければできないダイレクトボレーシュート。そして中央大学FWのホットラインならではの信頼関係でした。

最後まで大宮の攻めは続きましたが、植田を入れて4バックにした熊本は、GK佐藤の攻守もあって逃げ切り。連勝で今季3勝目を収めると、順位も上がって8位となりました。

両FWの得点で勝利。安にも初得点が付きましたが、この日は皆川が開幕戦以来の得点。しかも安へのアシストも付いた大車輪の活躍でした。

戦前の“複雑な心境”の意味を問われた渋谷監督。「私は昨年、監督として大宮のチームを率いていたので。複雑というのは、私が結果を残して入ればJ1で戦っているのに、J2にいるということについては申し訳ない」(同)。試合後、そう記者団に答えました。ただ、「試合については自チームのことしか考えずに、相手として試合中は見れていました」とも。

「やっぱり大宮というのは、いろんなことを考えたらJ1にいるべきチームなので、そこに勝てたというのは大きいですし、私自身はすごく嬉しい」(渋谷監督)。

われわれが勝手に、密かにシンパシーを感じている大宮。そしてまたそれに加えて、色々な因縁が出来つつある大宮。その大宮に勝利したという喜びは、なかなかわれわれも書きつくせない難しさがあります。

さぁ、次は中三日で三連戦最後の栃木との戦い。この試合に連勝できるかどうかで、今季の熊本の真価が問われるとも思います。心して掛かりましょう。

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