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5月5日(日)
【J3第8節】(えがおS)
熊本 1-0(前半0-0)八戸

<得点者>
[熊]原一樹(75分)
<警告>
[八]貫名航世(76分)、谷尾昂也(90分+1)
観衆:5,023人
主審:石丸秀平


ホームでもようやく勝ち星を手にしました。3連勝です。

八戸とはもちろん初対戦。JFLから今季J3に上がってきたチーム。かつて熊本に在籍した小牧が活躍しているチームでもあります。

熊本は前節と同じスタメン。G大阪U-23戦の勝利の時から、このメンバーが非常に”面白い”と感じています。

20190505八戸

序盤から熊本はGK山本も交えたボール回し。1トップ2シャドーの八戸が前線から喰いついてきたところで、スルーパスで後ろを向かせる。一方の八戸は、ロングボール。熊本DFのクリアを拾うと、人数を掛けて上がってくる。

しかしきっちりと撥ね返している熊本は、19分、佐野から左の中山に出すと、中山がグラウンダーでマイナスクロス。これに佐野が足を投げだすも少し遅れ、ボールは右に反れる。

28分にはロングフィードに北村がエリア内、右足でうまくトラップしてDFを交わすと左足ですかさずシュート。しかし、これはGKがブロック。続くCKからのこぼれ球に、北村が果敢にバイシクルも、これは空振り。惜しいシーンが続きます。

34分には、八戸の3バックの左脇にスルーパスを送ると、走り込む中山。内側を追い越してきた高瀬にパス。PA内、高瀬のシュートはしかしポストの右に外れる。早く先制点が欲しい。

一方、八戸は36分に、中央を突く。新井山が交錯してのこぼれ球を中村が抑えたミドルシュートで放ちましたが、これはGK山本ががっちりとキープ。これが前半八戸の唯一のシュートでした。

後半は少し八戸にボールを持たれます。しかしゴール前の危ない場面も、しっかりと最後まで足を出し、身体を投げ出してブロックしている。危なかったのは72分、右サイド小牧からのロブを受けた三田が抜け出し、PA右から巻いたシュート。この角度で何度やられたことか。しかし、ゴール枠の上を越していき事なきを得ます。

ここまで好機を逸し、拮抗してくると、嫌でも悪いイメージを描くのですが、ここでベンチがカードを切ります。それまで前線でアグレッシブな動きを見せていた北村に代えて、3試合ぶりに原を投入。これが奏功します。

75分、後ろで回してビルドアップの機会を探す熊本。八戸の前線を食いつかせると敵ボランチを越して岡本へパス。岡本は右から上がってくる黒木へ。敵ボランチは全く後ろ向きに帰るしかない。黒木は中に絞り、右の田村にはたく。もらった田村が狙いすましてクロス。ニアサイドのDFを越したボールは、待っていた原の頭にドンピシャ。ゴールに突き刺します。ボールを送った岡本もすぐさまゴールニアサイドに走りこんでDFを誘ったチームプレーの得点でした。

ゴールデンウィークに集まった5千人のスタンドのタオルマフラーがぶんぶんと振られる。やっぱり決めてくれたのは、この男でした。

「良いボールが来たので触っただけ」(熊日)と謙遜する原。渋谷監督は「フィニッシャーとして1番、勝利をもたらすと思っていた」と。このこう着状態の打開に原に賭け、それが実った。

八戸は二枚替え。上形がシャドーに下がって、谷屋がワントップ。

熊本は佐野に代えて、今季初出場の八久保を入れると、前線からのプレスを緩めない。上村が敵との接触で痛み座り込む。田辺が準備されて、高瀬が「お疲れさま」と言うように上村にタッチする。DAZN中継アナも含め当然誰もが上村との交代と思っていたが、田辺と交代で下がったのは中山でした。時間にして88分。前節はDFラインに小谷に入れたのがサインでしたが、今節はこれが「守り抜くぞ」というベンチの”指示”でしたね。

上村は打撲的な故障だったのでしょうか。代えずに使い続けました。熊本はビルドアップのときに、高瀬を高く上げて、黒木、小笠原、鈴木の3バックに、上村をアンカーにしてボール回しをして、相手の隙を狙っていました。今節このバランスが絶妙だったし、ベンチはこれを崩すことを恐れ、そのまま使い続けたかったのでしょう。上村の存在感でした。

原と高瀬が左相手コーナーでのキープ。八戸に決してカウンターに持ち込まれないように、安全に安全にボールをキープした。アディッショナルタイムも持ちこたえて、1点を守り抜き、クリーンシートで勝利をもぎ取りました。

待ちに待ったホームでの「カモン!ロッソ」が、赤く染まったゴール裏にこだましました。

しかし指揮官は試合後、自嘲気味に言う。「やっぱりホームなので前への意識を持たないと、見てる方達ももどかしいところもあると思うんですけど(笑)」「でも相手を動かしたり、自分たちの時間を作ることをやっていかないといけない」(熊本蹴球通信)とも言う。

「1点取った場面は、チェンジサイドして相手をずらしてからクロスを上げたことで中のマークがずれたと思う」。そう、確かに後ろで回し、サイドを揺さぶったあとで、相手の中盤を置き去りにして、いわば”擬似カウンター”を作り出している。そこでサイドを広げてDFの目線を変えているからこその、中央での原のヘディング。

ようやく指揮官が目指している戦術が垣間見えてきた。そう思える試合でした。

しかし、八戸も侮れなかった。気温の高さに苦しみながらも、最後まで走り、自分たちの攻撃の形を持っていた。

「失った後の守備で正しいポジションに戻ってきてないところもあるし、ボールを奪わなきゃいけないということで、いいタイミングでプレッシャーをかけに行ってないところがあった」。指揮官は、そう反省を語ります。

順位は変わらず5位。しかし今は順位よりも、とにかく首位北九州、2位讃岐までの勝ち点差をやっと3まで詰めたこと。上位を狙える好位置ですが、しかし、同時にもう負けられない状況です。

熊本は、少しずつ少しずつ、自分たちの戦術を確立しつつあるように思えます。課題をクリアしながら、少しずつ。だからこそ、今、”見損なってはいけない時期”なのかも知れません。次のゲームが実に楽しみです。

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