さて、ロアッソは26日には熊本大学選抜と初練習。本来のポジションに固執しないシステムで戦うなど、いろいろなことが試されている段階のようです。

23日には同時に新入団選手も発表されましたね。
まずは噂どおり、今年高校選手権に出場したルーテル学園高校からGKの吉田智志、また大津高校からはレフティMF網田慎。いずれも地元出身の熊本スピリッツです。そしていずれも即戦力というより、初めての高校卒ルーキー獲得。これから成長・開花させようという若手育成のコンセプトがチームとして初めて感じられる「獲得」です。
吉田はU-17日本代表として、先の韓国W杯に出場。グループリーグでフランスに敗れたため、決勝トーナメント進出はなりませんでした。先の高校選手権では緊張のためか、いいところなく埼玉栄の前に敗れ去りましたが、キックやフィードといった現代サッカーのGKが持つべき素質に優れた将来有望なGKといえます。

即戦力としてはガンバ大阪からレンタル移籍となった浪速のゴンことFW中山悟志。そして初の外国人選手といえる韓国籍のDF車・智鎬(チャ・ ジホ )。
中山はご存じのとおり各年代で日本代表に選出され、特にU-21時のトゥーロン国際大会では得点王を獲得している期待のFW。
チャ・ジホのことは詳しくは知りませんが、こちらも各年代で韓国代表に選手されている逸材のようです。おそらく左サイドバックでの起用が予想されます。

岐阜が大胆な選手補強(入れ替え)を図るなか、現有戦力の温存で目だった新規選手加入のなかったロアッソですが、そのなかで、いずれもポテンシャルの高さを想像させ、適所(ピンポイント)を押さえたコストパフォーマンスの高い補強ではないかと思います。

ポテンシャルという意味では、実にわがチームにはこの「年代別代表」という経歴を持つ選手が数多く在籍しています。GKの太は市原ユース時代U-16でアジアユースに出場経験あり。DFの河端は大学時代、ユニバーシアードに出場。福王はU-16、17と日本代表を経験。矢野も大津高時代にU-18代表でしたし、MFではプリンス山口がU-18代表。松岡もたしかガンバユース時代、家長(現大分)とともに日本代表に名を連ねていたと思います。

いえ、ここで言いたいのは、ロアッソにはそんな逸材が多数在籍しているよ、ということではなく・・・。
先のエントリーで書いた「若手の育成」というJチームとして当然のビジョンがまさに、初の高卒ルーキー入団ということで現実化してきていること。また、さらにはそこで書き足りなかった、育成の先のしごくわかりやすいキーワード、チームのビジョンとして「日本代表を輩出する」という目標を持ちたい。ということなのです。

もちろんフル代表となると、あまたのJ1ビッグチームにかなうべくもありません。まず目指したいのはオリンピック代表選手(U-23)の輩出。あるいはそれに繋がるU-20・・・。
この年代の裾野は広く、過去J2のチームからも仙台の萬代(現磐田)、水戸の小椋(現横浜FM)、山形の豊田などが代表に招集されました。それは、地元サポーターを熱狂させただけでなく、一地方のJ2クラブに全国の注目を集めることにもなり、また新たなファン層を広げることにもなりました。
これからロアッソにも襲うJ1までの厳しく遠い道のり、なかなか出口の見えないJ2のクラブにとって、自らのチームから日本代表を出すことが、次のブレークスルーになると・・・。ワールドユースに中村北斗や柳楽智和が選ばれたときの福岡、U-19に梅崎司(現浦和)が選ばれたときの大分の盛り上がりを見ても、日本代表というわかりやすい”看板”がいかに新規ファン層を広げ、サポーターの士気やチーム・アイデンティティを高めるかがわかります。

それも、本来ならチームのユース出身の生え抜きが選ばれるのが望ましい。それこそがクラブ体制がしっかり固まった証だと思うからです。
つまり、育成というビジョンの先には、ファン層の拡大と同時に、クラブ体制の確立という目標値があるということ。

中期目標でその確保が明示されたものの、残念ながら現在まだロアッソには「ユース組織」はありません。ここしばらくは地元の強豪高の有力選手の県外流出を防ぐ、いい意味での「砦」という役割が期待されます。(それもロアッソがJリーグチームに成ったればこそなのですが・・・。)
そしていつか、ユースからトップチームに昇格する人材が出てきたころ、おそらくわがチームもJ1昇格をうかがうポジションにいるのではないでしょうか。
(余計な話ですが、そのときには、県外流出した県出身選手の行く先、動向をリストにしたサカくまの「熊本スピリッツ!県出身有力選手」というページも役割を終えるのではないかなと思っています。)

そんな思いのなかでの新入団選手発表。特に吉田くんには、あまたの誘いがあったのでしょうが、地元のロアッソを選んでくれたことを大いに喜びたい。また、ロアッソが選ばれるチームにまで登ったことがなにより嬉しい。
そもそもGKは、なかなかチャンスの回ってこないポジション。しかし、一昨年の飯倉、昨季の小林弘を見てもわかるとおり、逆に出場し続けなければ能力を伸ばせないポジションでもあります。おそらく彼としても、強豪クラブで控えGKとしてベンチを温めることより、J2ロアッソでガンガン、スタメン出場すること、それが次の世代の代表招集にも繋がる道と考えての選択なのではないでしょうか。
チームには、小林弘や太という優れたGKがいますが、J2という長丁場のシーズン、必ずチャンスは巡ってきます。J2において、開幕戦のGKは、決して最終戦のGKとは限りませんから・・・。

Jリーグに昇格したということ。
それは同時に、いつの日かホームチームの選手が”日の丸”を背負って戦うという可能性も手に入れたいうこと。
われわれファンとしても、応援しがいがあるといえるのではないでしょうか。
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