3月2日(日) 2008Jリーグプレシーズンマッチ
熊本 1 - 2 札幌 (14:00/熊本/2,935人)
得点者:9' 高橋泰(熊本)、30' 砂川誠(札幌)、89' 中山元気(札幌)

開幕前の総仕上げ。ロアッソ熊本対コンサドーレ札幌とのPSMは、1-2という結果でした。しかし、これこそ勝敗の結果にあらず、「惜敗」と呼んでいい”内容”ではなかったでしょうか。
これまでのPSMやTM、観たものについては、詳細にフォーメーション図を描いてきましたが、今回のは省略します。スカパーなどで誰でも確認できる試合は除いて、フォーメーションは図にしないように決めました。観る人も限られている拙いサイトとはいえ、自チームの不利にならないようにという配慮です。対戦したこともなければ、選手の名前も知らない、というのが昇格組のファーストステージにおけるアドバンテージではありますからね・・・。

さて、知将札幌の三浦俊也監督が、「立ち上がり、相手の勢いがあった時間帯で、こちらの動きも鈍く、先制されました。シュートもクロスも素晴らしかったが、我々の消極性が原因だった部分もあると思います。」(J’sゴール)と評するとおり、ロアッソの出足にたじろぐ札幌を相手に高橋のヘッドで先制。福王からの大きなサイドチェンジに追いついた有村。その左足から上げたセンタリングに飛び込んだものでした。高橋は怪我からの復帰第一戦でしたが、随所に本領を発揮し、いきなり本調子といった印象。後半退いたのは、大事をとってのことと思われます。中山との2トップは初めて観ました。サイドに流れた高橋からのセンタリングに中山が惜しくも合わずというプレーが2度ほどありました。これも徐々に連携が出来てくるのではないでしょうか。

三浦監督が「15分を過ぎてからは多少落ち着いて、いい時間帯になりました。」というとおり、ここから札幌の動きも速くなり、ロアッソが押され始めます。ダヴィと上村のマッチアップ。矢野や福王がカバーするものの、ちょっとダヴィを止められなくなってきていました。30分、左サイド奥から上げられたセンタリング、ファーサイドに飛び込んだ砂川に豪快に決められ同点にされます。

しかし、前半のロアッソ、怪我人も復帰し、ほぼ現在のベストメンバーと思われますが、J1昇格の札幌相手に一歩も引かない展開。チームとしての力の差は明らかにありましたが、個人能力の差はさほど感じさせず、今期テーマとしている「積極的な守備からの(速い)攻撃」の浸透が随所に見られました。例えば奪えると確信した瞬間に、選手たちの重心は前に移動し、奪った時点では全員が前にステップを踏んでいる。サイドチェンジなどパスの質も高く、安全な繋ぎではなく、チャンスを狙ったギリギリのものが目に付きました。そして判断がこれまでより数段速い。

小森田はきついマークに合い、けっこう潰されていましたが、ボランチの福王、サイドの車の運動量も高く、札幌と互角に争っていました。今日は左サイドハーフに入った車。なかなかの動きでしたが、まわりの選手との息は今一歩。これが咬み合ってくると、十分いい武器になると思います。

後半は、お互いが控え選手を次々に投入してきます。展開を変えるというより、テストといった意味合い。試合はほとんど膠着状態となってしまいました。14分、西森のFKに中山がヘッドするも、キーパー正面。喜名、山内、熊谷、山本、河端、小林と、バックアッパーのほとんどを試すことができました。無難な出来でしたが、流れは変わらず・・・。

札幌は後半10分、ルーテル卒で昨期活躍した岡本を投入。場内からはひときわ温かい拍手。熊本のファンもよくわかっています。しかし岡本も、試合の流れは変えられず。1年後輩のロアッソGK吉田を引っ張り出して交錯するプレーこそありましたが・・・。
その吉田は、先発出場でしたが全く危なげなく。前半、ダヴィのシュートがポストの跳ね返り、それに詰めた決定的なシュートを足一本でファインセーブという見せ場も作りました。このルーキー、先輩達から怒鳴られながらも、憎めない、なにかしでかしてくれそうなキャラクター。今年ブレイクするかも知れませんね。

ロスタイムに札幌が追加点を上げ、この最後のPSM、結果的に負けはしましたが、それこそ”結果”ではなかったかと。最後まで諦めない姿がJ1昇格をものにした札幌らしくはありました、が、それ以上に、ロアッソの”仕上がり”と”今期のサッカー”が確認できたPSMでした。「1週間前にしては全体としてかなり順調に来ている」(J’sゴール)と池谷監督が言うとおり、指揮官もまずまずの様子。

はっきり言って、これまでのサッカーとは全然違うものを目指しています。これまでが「負けられない試合運び」だったといえるとすると、今期は全くJ2仕様。チャレンジング・サッカーなのは間違いないでしょうが、このカテゴリーに通用しないのでは?という不安は完全に払拭されました。否、他のチームとも決してひけはとりませんよ。今日のような動きを、モチベーションを90分続けること。1シーズン絶やさないこと。ひとつ願うとすれば、バックアッパーの誰が出ても、同じことができること・・・。

札幌の三浦監督が熊本について聞かれていわく「J経験者も多く、要所に中心プレーヤーがいるので、安定した戦いが期待できるのではないかと思います」というのは決してホームチームに対するリップサービスではないでしょう。

何はともあれ今週土曜日はいよいよ開幕。はやる気持ちを抑えて待つしかない。
池谷監督が言う「財産を残すための1年」。それは逆に言えば、”失うものはなにもない”ということ。われわれの初めてのシーズンがもうそこまで来ています。
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