4月6日(日) 2008 J2リーグ戦 第6節
熊本 1 - 2 山形 (13:03/熊本/3,515人)
得点者:19' リチェーリ(山形)、40' 中山悟志(熊本)、71' リチェーリ(山形)


いやぁ、リチェーリでしたね。やられました。
これまで結果の出てないこの伏兵に、今季初得点を献上したばかりか、あわやハットトリックを奪われるところでした。

雨の予報は完全にはずれ、試合開始の頃には柔らかな日が差して初夏のような気温のKK。
熊本の布陣は、前節を踏襲して矢野、河端、上村、福王の4バック。これはもちろん両SBにCBのような働きを求めているのではなく、二人の”人への強さ”を買ってのことと思います。矢野の前には、前節途中出場でいい働きだった西森。監督の指示だったのだと思いますが、今日は出だしから、中に切れ込むだけでなく、前線や左に、自由に動き回りました。その空いたスペースには矢野が積極的に上がります。

この矢野の攻撃参加、熊本の時間帯では実によかったですね。クリアを拾ったミドルシュートは惜しくもオーバー。サイドに切れ込んで、マイナスのクロスもDFにクリアされたものの、これで得たCKから中山のヘッドが決まりました。中山もようやく今季初得点。西森のボールもよかったのですが、GKの前に飛び出す中山のポジション取りも見事でした。お互い、この伏兵同士が得点し、熊本は前半で追いつき、実に面白いゲーム展開になってきたとワクワクしたのもつかの間・・・。

時間は前後しますが、逆にこの右サイドを山形に使われました。1点目は、間違いなくリチェーリの”個”の力ですが、2点目、途中投入の佐藤にスルスルと侵入された場面は、守備の受け渡し、どこで誰が当たりにいくのか、連携の問題を露呈させましたね。ほかにも宮沢をかなり自由に上げさせたりして・・・。

山形は、とにかくレオナルドを中心に、ガタイのいいDFが強固な壁を作り、そこから中盤を省略するように、前線のこれまたベンチプレスでもしてそうな豊田と、個人技に優れたリチェーリにどんどんボールを供給する。MFはそれと近い距離を保ってセカンドを拾ったり、ボールを預けられたり、彼の作ったスペースで仕事をしたり・・・が役目のように見えました。

どこかで見たような気がすると思ったら、これは小林監督の恩師である小嶺(当時は島原商業高監督)氏の”サッカー哲学”そのものではなかったか・・・。しかし、その中盤省略に、これまた小林監督の秘蔵っ子である小森田がいいところを消され、チーム全体がフィジカルの強いDFやFWに次第に翻弄され始めます。
多くのメディアが、この試合の後半に熊本の足が止まり始めた、と表現することでしょう。確かにそうなんですが、それは単に持久力という問題だけではなく・・・。

ロングボールの多用、そしてフィジカルの強い相手にぶつかることにより失われていく体力は相当なものと思われます。それは物理的にいっても、”速さ”と”重さ”を要求するわけで・・・。そして、そのために必要とするエネルギー、使ったエネルギーが、自覚症状とは別の次元で、じわじわと”体力”“集中力”“思考力”を奪っていく。

本来ならば、リチェーリにしても、豊田、長谷川にしても、最低二人がかりでカバーしなければならない能力の相手。それが、戻れない、着けない。前半の戦況を見て、ハーフタイム、恐らくはそのあたりの修正の指示はあったのではないかと。しかし、わかっていても、やられてしまう。とも言うべき状況が熊本に起こってきていました。

思うに、湘南、鳥栖、山形とJ2中位チームに対戦して、攻守の切り替えの早さだけを意識していましたが、この3チームとの違いは、前述したようなフィジカルの差が実に大きかったのではないかと。
そしてそれは、”恵まれた”フィジカルというものではなく、”鍛えられた”フィジカル。”瞬間的”に発揮されるフィジカルだけでなく、”時間的”にも持続されるフィジカル。強くて、速くて、重い。

フィジカルは、”求めれば”得られるものではあります。しかし、これは喫緊の課題ではありますが、今すぐに手にすることは難しいでしょう。ならば、対策としては、その体(たい)をかわすことを考えるしかないのでは。素早いボール回しで相手をずらし、最終的にはDFを”ずらす”ことしかない。
中長期課題としては、このリーグにおけるフィジカル(それは監督がいう時間的な”量”も含めて)を得ることが必要ですが、短期的課題修正としては、ゴール前での速く、正確なボール回しでDFをずらすこと。いまのロアッソには、それが重要な戦術、技術だと思われました。

中位陣と対戦して得られたちょっと大きくて厄介な”課題”。
ですがこれもまた少しづつ修正されていくべきものでしょう。わがホームチームはどの対戦相手に対しても自分たちの戦いを真正面から仕掛け、自分たちの力を試し、毎試合、多くの課題と収穫を得ています。負けはしましたが、歩みを止める必要はありません。下を向いている暇はありません。まだまだ長い戦いは始まったばかりなのですから・・・。
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