3月12日(日)
【J2第3節】(えがおS)
熊本 1-1(前半0-1)山形
<得点者>
[熊]佐藤昭大(90分+2)
[山]瀬沼優司(30分)
<警告>
[熊]片山奨典(17分)、林祥太(57分)、グスタボ(86分)、上里一将(87分)
観衆:6,628人
主審:荒木友輔


いやはや。2試合連続で終了間際のドラマチックな同点劇です。しかも、今回も「決めたのは誰?」となって。大きなガッツポーズをしている緑色のユニフォームと大柄な体を見て、やっとGK佐藤だったんだと。われわれとしたことが、このCKの場面で上がっていたのさえ気づかなかった。

それにしても前節はCB。今節はなんとGKが上がってのリーグ的にも”実に珍しい”得点。今回もまた清川監督の指示があったわけではないという。

3月。晴天のえがお健康スタジアムに迎えるのは山形でした。互いに開幕から1勝1敗で5位に並ぶ。寒地・山形は、開幕からアウェー3連戦の最後の試合。朝方は雪だったという山形から駆けつけました。

熊本は先発を入れ替えてきました。前線には巻と八久保。右SHにはルーキーの林がJリーグデビュー。

20170312山形

その八久保が開始早々ドリブルで持ち上がり、思い切りのいいシュートはGKがセーブ。持ち前のスピードを披露すると、対する山形はシャドーに入っている 汰木が右45度からシュート。これもGK佐藤がセーブします。

アクシデントは20分でした。山形の左CK。ファーに飛んだボールに下がりながらジャンプした小谷。その後ろから山形・菅沼が覆いかぶさる。もんどりうつ小谷。後ろから腰に膝が入っていました。担架が入る。苦痛に顔をゆがめる小谷。一旦ピッチに戻ったものの、結局は光永との交代となります。

ニューイヤーカップでもCBを務めた光永。リーグ開幕からは、SHも務めた。若くして器用で安定感のある選手なのでしょう。この大事なときにポリバレント性が活かされます。

しかし30分でした。山形の右CK。ニアの瀬沼の高いヘディングはマークについていた巻の前。ゴール左隅に転がり込み先制点を奪います。

山形の素早いプレスに押し戻され、後列からの長いボールはセカンドが拾えないという悪循環。奪っても時間がかかると山形のプレスに合い、前につなげない。体力は奪われ、ストレスばかりが溜まる。

しかし諦めない。しぶとく粘り強く戦う熊本は徐々にテンポを得る。バイタルで回して上里のシュートはGKでしたが、前半の終盤は熊本の時間帯。この日も、追加点を許さず粘り強く戦った。試合前のインタビュー。「耐えて、我慢しながらやっていく」と宣言した清川監督の言葉どおり。そのことが、その後に繋がったといえましょう。

後半、またアクシデントが起こる。54分、ペナルティエリアに侵入した瀬沼を村上が倒すがファールはなし。しかしこのプレーで村上が痛む。一旦ピッチに戻ったものの、大事をとったのか、上村との交代になります。戦術的な交代ではないところで早くも2枚の交代カードを切ってしまった熊本。

ようやく戦術的なカードを切れたのは72分の八久保からグスタボへの交代でした。グスタボに前線でのキープと、裏への突破を託します。

しかし山形も対処していましたね。グスタボに入ると二人が囲んで前を向かせない。初めて観るグスタボのプレーは、確かに強くしなやかでしたが、山形の執拗なカバーに神経を尖らせ、いら立つグスタボ。激しいタックルでイエローを貰う。続いても、山形の果敢な仕掛けに耐え切れず上里が後ろから引っ掛けてイエローを貰うというなんだか悪循環の嫌なムード。まさに敗色濃厚。そこからのアディショナルタイムでした。

山形は時間を使い始める。この1点を守ろうという戦術。熊本は左サイドを崩すと、片山がえぐってクロス。ファーで林の前に入った山田がクリア。右CK。

その瞬間、上がってきたのはGK佐藤。キッカーの上里は「(上がってきた)佐藤君と目が合い。ここに蹴ってくれと伝わってきた」(熊日)のだという。その佐藤は「ドンピシャで来た。飛んだら頭に当たっただけ」。値千金の同点弾をものにします。

そこに蹴りこんだ上里の技量もすばらしければ、そこに上がってきた佐藤の判断も素晴らしい。

山形は勝利の直前で手から滑り落ちた勝ち点2を取りもどそうと終了間際まで攻めたてましたが、熊本も凌いで痛み分け。勝ち点1を分け合うことになりました。

山形の素早い圧力に大苦戦した試合でした。アクシデントで交代枠のうちの2枚を使ってしまって、戦術的交代はグスタボのみ。デビュー戦になった林などは、おかげで90分間走り続けなければならなかった選手の一人なのかと。ただ、それもまた貴重な経験になったのではないでしょうか。

2試合連続で、劇的な同点引き分けになりました。劇的ではあるが、もちろん勝ってはいない。けれど、前節もそうでしたが、失点したあとの粘り強さ、2点目を与えなかったことが、この結果を生んでいることは確か。指揮官の言う粘り強さ、うまくいかない流れをひたすら我慢。そして「最後まで諦めずに点を取りに行く」(DAZN)と言うとおりの結果。そして勝ち得た勝ち点1。順位は8位に落ちましたが、首位との勝ち点差はわずか2でしかありません。

ただ、怪我人の様子がちょっと心配です。どう工面して次節を迎えるのか。

なかなかのスタートであり、そして早くも正念場を迎えているとも思えます。次節はアウェーで福岡戦です。

3月5日(日)
【J2第2節】(Cスタ)
岡山 1-1(前半0-0)熊本
<得点者>
[岡]豊川雄太(47分)
[熊]小谷祐喜(90分+2)
<警告>
[熊]村上巧(66分)
観衆:10,286人
主審:上村篤史


劇的な引き分けでした。と書こうと思っていたら、熊日も同じような見出しでしたね(笑)。

第2節はアウェー岡山戦。「何とか勝ち点を、欲を言えば3を取って帰りたい」と言う、わが清川監督(DAZN)。確かに難敵・岡山相手とはいえ、ちょっと消極的かなと。だが、前節のデビュー戦でわれわれにも、他チームにも強烈な印象を残したFW安の姿が、スタメンにもサブにもない。怪我なのでしょうか。代わりに前線に入ったのは俊足ドリブラーの田中。高めの岡山のDFラインの裏のスペースを突く戦術でしょうか。

一方「我々のベストを引き出せるかが(この試合の)ポイント」(同)と敵将・長澤監督は冷静に語ります。しかし、開幕戦で名古屋に敗れ、黒星スタートとなった岡山。ホーム開幕戦となったこの試合に掛ける思いの強さは言うまでもない。開始早々から厳しい球際と寄せ、数的優位のボール奪取で迫ってくる。

20170305岡山

岡山のプレスをなかなか剥がすことができない。奪って運ぼうとしても縦パスがカットされる。徐々に出し手と受け手の意図もずれ、ミスも増えます。

長澤監督のスカウティングだったのでしょう。ボールサイドに寄ってコンパクトに守備をする熊本の大外へ、大きなサイドチェンジのパスを通す。21分、スローインからのアーリークロスを豊川がダイレクトシュート。これはGK佐藤がセーブします。

33分には前線の3人で運んで大竹がシュートモーションからパスを選択。PA内の藤本に通ればというところでしたが、園田が潰して難を逃れます。

一方的に攻め込まれる展開。しかし凌いでいる。試合前、「前節(開幕戦で)勝利しているというアドバンテージを、いいメンタリティに利用したい」と言ったのはGK佐藤(DAZN)。たしかにその“気持ちの差”が猛攻にも冷静に対処させたのか、スコアレスで前半を終えます。

前半を終えたあと、それと後半の笛の前、両チームの監督にベンチ前でインタビューする。まるでNHK中継のようでもあるのが、DAZNになってからの特徴でしたが、前半を終えた長澤監督は、この展開を当初の予定どおりだと言いながら、「後半の頭のところと、最後のところに勝負どころが来ると思うので、しっかりとマネジメントしたい」と言っています。全くのところ、この後の試合展開を”読んで”いました。

後半開始早々。まず最初の岡山の右サイドからの攻撃。伊藤のクロスは不発に終わりましたが、右奥へ再び運ぶ。今度は加地が追い越してえぐると、右足でフワリと上げた。ニアでジャンプした藤本。後ろで飛んだ小谷もかぶって、更にその後ろにいた豊川の頭に。ゴールマウスに突き刺します。文字通り”シャドー”の働き。後半開始早々から圧をかけて、岡山が均衡を破ります。

その後も岡山の攻勢。左サイドからのクロスに中には豊川が構えていましたが、その前で佐藤が止める。間一髪。ただ、この勢いを止めない岡山の攻勢に対して、気落ちせず、追加点を許さなかったことが、この試合展開のなかで、非常に大きかったと思います。

平繁に代えて巻を入れると、熊本の”重心”が少し前に移動したように感じました。更に岡本に代えて八久保が入ると、巻との2トップ。田中が2列目に。八久保の運動量とスピードで岡山を次第に押し込む。岡山も、豊川を下げて三村を入れ、対抗する。

予兆は80分のシーンにあったかも知れません。CBの小谷が右サイド高いところにいてDFからボールを奪うとエリアに侵入。GK櫛引との1対1でしたが、シュートは阻まれる。

しかし…。なんでそこに小谷がいたのか?

熊本が持つ時間が長くなると、長澤監督のイレブンへの「落ち着け、落ち着け」という指示のポーズ。けれどDAZNの解説者も、「この熊本の”やり方”なら、残り何秒かで得点もある」と言う。

まさしくその言葉を信じたいアディッショナルタイム3分も終わりに近づくころでした。片山からの、かなりアーリーなクロス。山なりのボールを放り込みます。ゴール前に”誰か”が飛び込めば…。ゴールマウスから飛び出した櫛引より先に頭に当てた。ボールがゴールに転がり込みます。同点!そして終了の笛が鳴る。やった!

その瞬間、勝利を確信してチャントを歌っていた1万人の岡山サポーターが静まり返る。

殊勲の同点弾を押し込んだのはなんとCBの小谷でした。それも、パワープレーを命じられて上がっていたわけではない。DAZNで見返してみると、その瞬間、流れのなかで右サイドを猛烈なスピードで上がって行っている。「残り時間も少ない。自分の判断で攻めあがった」(熊日)のだという。その”ステルス”な動きがあって、巻に集中していた岡山のDFの裏をかいて、完全にフリーになれた小谷が櫛引と競い合ったのでした。

「失点は悔しかった。最後に取り返せて良かった」と小谷が言う(熊日)。自責の念が、彼にあの終盤、右サイドを駆け上げさせたのでしょう。劇的とも言える同点弾を押し込み、それによって、岡山は目前にあった勝ち点3がするりと手の中からすべり落ち、勝ち点1に留まると同時に、手にしたのは大きな心理的ダメージでした。指揮官が「(後半の)最後のところに勝負どころが来る」と、言ったとおりになりました。

熊本は勝ち点1を加え、4位に位置しました。が、それよりなにより、劣勢のなかで勝ち点1を得られたことが大きい。いや、開幕戦も完勝とはいえないなかでの勝ち点3。そしてこの圧倒的に劣勢な試合での勝ち点1。課題が多いなかで、しぶとく積み上げたこの4点は、かなり価値のあるものだと思います。

開幕前の状況を思えば、シーズンのスタートとしては、なかなかです。次節は同順位の山形戦。ホームえがおスタに集結して、絶対勝たせましょう。

2月26日(日)
【J2第1節】(えがおS)
熊本 2-1(前半1-0)讃岐
<得点者>
[熊]安柄俊2(22分、57分)
[讃]永田亮太(70分)
観衆:7,027人
主審:柿沼亨


いやあ勝ちました!ホーム開幕戦。追いすがる讃岐を退けて、逃げ切り。かなりホッとしています。

いつものように、いやいつも以上に、期待と不安が交錯する開幕戦でした。ニューイヤーカップで書いたように、まだまだ怪我人が多いようで、新戦力はもちろん熊本の新チームの姿がなかなかつかみ切れなかった。早々と決まっていた開幕戦の相手・讃岐は、西、仲間、木島、岡村という旧知のメンバーに、今季は市村まで加入し、更に北九州から原一樹という嫌な名前も加わって…。もっと言えば、「熊本は特別なチーム。自分の監督生活の原点」(DAZN)と、北野監督自身が公言するとおり、熊本相手には過剰に”意識”してかかってくる。特別なゲームになってしまう。やっかいな相手と言えました。

熊本の先発は安と平繁の2トップ。右サイドは岡本、左は嶋田。ボランチは上里と村上。CBは小谷と園田。右SB黒木、左SB片山。GKは佐藤。

対する讃岐も4-4-2。

20170226讃岐

序盤から見られた玉際の激しさは、今季の両チームのコンセプトをはっきりと表しました。特に讃岐のCBエブソンと熊本の安のところはバチバチ。初めてそのプレーぶりを見る安でしたが、滞空時間の長い空中戦、DFを背負ったポストプレー、献身的なディフェンス。随所にフィジカルの強さと、巧さを魅せます。

押し合いへし合いの序盤でしたが、熊本が左からの大きなサイドチェンジから右奥のスペースに黒木を走らせると、切り替えした黒木がコーナーを得る。その右CK。「相手GKが出られない場所を意識した」(熊日)という上里が蹴ったボールに、それまでぴったりとマークされていたエブソンの背後から身体を投げ出すように頭に当てた安。ボールをたたきつけてゴールにします。

待っていた先制弾。今シーズンの初ゴールは、新加入選手のCKから、新加入選手による得点。7千人が埋めたスタジアムが沸かないはずがありません。

その後も上里が、後ろ、右、左と動いてボールを散らす。しかし、攻勢を強めた讃岐にゴールを脅かされ、ヒヤリとするシーンも続きましたが、1点を守り後半に折り返します。

讃岐もハーフタイムで修正してきたのでしょうね。間に入ってくる仲間の動きが、非常にやっかい。そして時間は57分近くになって、讃岐が我那覇と馬場に代えて、いよいよ原と高木を入れて巻き返しを図ろうかという、まさにそんな時間帯でした。

左サイドで嶋田がうまいボール扱い。敵を交わして前を向く。平繁に一度預けるともらい直して今度は左足でスルーパス。瞬間崩れていた讃岐のDFラインをかいくぐって飛び出した安。GKの動きを冷静に見ながら、流し込むように追加点を決めます。

うまい。二人とも。

2点差にされた讃岐。原、高木で押し込んでくる。ロングボールでDFを下げさせます。それに対して熊本はスピードのある齋藤を投入。前がかりの讃岐のDF裏を狙うわかりやすい采配。早速、黒木からのカウンター。齋藤をスペースに走らせる。ドリブルで持ち込むが、エリア前でブロックされる。しかし、沸きに沸くスタジアム。

讃岐の徹底したロングボール。そしてさすがの原の動き出しに、押し上げが効かず間延びしてきた熊本。70分、左サイドから讃岐の素早いFK。準備が少し遅れた。中で木島が潰れると、後ろから入ってきた永田に対応できずヘディングを決められます。

イケイケになったのは讃岐。その後も攻勢の時間が続きましたが、熊本は平繁に代えて巻。嶋田に代えて光永とカードを切り、終了の笛が吹かれるまで、粘りきりました。

「やってほしいことを選手たちはやってくれたが。だが、その中でやってはいけない失点をした」。試合後、敵将・北野監督はそう述べました。「0−1の時に彼ら(原と高木)を準備させていたんですけど、ああいう”つまらない”カウンターで失点してしまったので、僕の判断でもっと早く投入できたら、今日の試合は逆の展開になっていたのかなと思います」とも。

確かに讃岐はサイドを右左に揺さぶり、熊本ゴールを脅かしました。波状攻撃に晒され、ひやりとする場面も幾度ともあった。しかし、ゴールを割ったのは一度。サッカーが敵のゴールを割った数を競う競技でありつづける以上、勝者は我々でしかないのです。相変わらずの北野氏の”負け惜しみ”の弁を聞けて、大いに溜飲を下げたものでした。

ホーム開幕戦で、ゴール裏で繰り広げられる「カモン!ロッソ」を眺めるのは格別でした。それにしても、新加入のFW安柄俊の”万能性”には驚くばかりでしたし、上里の実力、嶋田の覚醒したようなキレキレぶり、黒木の相変わらずのモビリティも頼もしかった。清川監督の2年目のサッカーの狙いも、少し窺えたように思えました。

もちろんまだまだこれからの課題も不安な要素も見えました。しかし、とりあえずこの開幕の勝利。勝ち点3という結果を得て、そしてそれ以上の大きな価値がある勝利だと思いました。

さぁ、ホームチームのゲームがある生活が、今年も始まりました。

DAZNニューイヤーカップを観るために、早速入会し、古かったWi-Fiルーターを買い換えました。しかし、速度は出ているものの、どうしても大画面にすると止まってしまう。ノートPCの能力もあって駄目なのかなと思いましたが、巷間言われているようにブラウザを通常使っているFirefoxから、IEに変更したら無事大画面でもストレスなく観れるようになりました。これまでスカパー!のオンデマンドで観ていた人なら、全く違和感はないのではないでしょうか。ただ、われわれのように、これまでの全試合を録画して、”持って”いた人間にとっては、ちょっと寂しいことになります。

さて、ニューイヤーカップの鹿児島ラウンドが終了しましたが、何とも言えない結果に終わりましたね。初戦の磐田戦こそ新加入選手の活躍で同点に終わりましたが、2戦目の鹿児島戦は0-1の敗戦。最終戦の北九州戦にも0-3で破れました。3戦を通して得点はわずか1。

”何とも言えない”と言ったのは、怪我人が多すぎて、まともなメンバーで試合が出来ていないという意味もあります。このプレシーズンのカップ戦でいつも期待するのは、新加入選手のパフォーマンス。しかし、アン・ビョンジュンもグスタボも、ヤン サンジュンも居ない。

更には、選手層が厚くなったはずのCB、植田もいなければ、薗田、小谷も出てこない。本来CBが本職ではないルーキーの米原、そして第1戦や第2戦では、左SBが本職の光永をCBに起用する始末。第3戦北九州戦でやっと、期待のイム ジンウを先発起用し、その類まれなる身体能力を見ることができましたが、試合途中で故障してしまい交代。これまた開幕に間に合うのかどうかという心配・・・。

ここまで故障者の多いプレシーズンも珍しいのでは。フィジカルスタッフも頭を抱えているのかも。開幕戦をチーム力のピークに持っていくのは難しいかも知れませんね。清川監督のインタビューの切れ味の悪さも、それを物語っているような気がします。

さて、そんななかでも”発見”はありました。一番はユースから昇格した米原の活躍。まだまだ線が細いと言われながらも、百戦錬磨の相手FWに対して臆することないそのCBでの戦いぶりはなかなか見事でしたし、持ち前のパスセンスから、第1戦では嶋田の得点の起点になりました。第3戦北九州戦でも随所で後方からいいパスを出していました。

第1戦磐田戦、右SBで先発した三鬼の働きぶりも出色でした。思い切りのよい飛び出し。前述の米原からの早いパスをダイレクトぎみにアーリーでクロスを入れた判断。狙いのニアの齋藤は潰れたものの、ファーに詰めていた嶋田の得点に繋がるいいクロスでした。

ボランチの上里は3戦とも先発しましたが、もう間違いない、期待どおりの能力を発揮してくれていますね。フィールドを俯瞰して見る能力があるのでしょう。随所で大きなサイドチェンジのパスを出し、好機を演出します。あとは、この上里とコンビを組むボランチが誰なのか。3戦で一番時間が長かったのは村上でしたが、上村も面白いし、今季は中山もここに絡んでくるようです。それぞれに特徴があって面白い。

さてさて。開幕まであと2週間。観られなかった選手が多すぎて”何とも言えない”状況です。ここから追い込みが間に合うのか、故障選手たちが間に合うのか。

ニューイヤーカップ。結果も残念なものでしたが、この段階ですでにチームのやり繰り自体が厳しくなっている。そんな状況だと思いました。

2017.01.15 新年ご挨拶
たいへん遅くなってしまいましたが、明けましておめでとうございます。例年より早いチームの始動、新体制発表会の報道を受けて更新するつもりでしたが、新年会続きで結局週末になってしまいました。

新しいチーム体制の前に、契約満了の選手たちについて列記しておきたいと思います。()は移籍先。

清武功暉FW(千葉)鳥栖から完全移籍
若杉拓哉FW(退団)
髙柳一誠MF(山口)
キム テヨンMF(未定)
藏川洋平DF(未定)
森川泰臣DF(ヴ大分)
原 裕太郎GK(愛媛)
金井大樹GK(未定)
永井建成GK(京都)

鳥栖から期限付き移籍だった清武がいなくなることは、シーズン中からおおかた覚悟はできていたのですが、同カテゴリーの千葉になってしまいましたね。対戦が楽しみでもあり、嫌でもあり。夏場の過密日程で力になってくれた高柳やキムが満了になったのは驚きでした。新チーム編成のなかでの構想外ということなんでしょうか。残念でもあります。

ほかには、鈴木翔登DFが北九州、小牧成亘MFが沼津に期限付き移籍となりました。震災の影響で練習試合が組めず、サブ組の底上げができないままで、なかなか公式戦に絡めませんでした。大卒選手としては正念場となります。

続いて新加入選手の顔ぶれ。()は前年の所属チーム。

アン・ビョンジュンFW(金沢)川崎から完全移籍
グスタボFW(名古屋)ECバイーアから期限付き移籍
田中達也FW(岐阜)期限付き移籍から復帰
林 祥太FW(国士舘大)
上里一将MF(札幌)
イム ジンウDF(嶺南大)
ヤン サンジュンDF(韓国外国語大)
光永祐也DF(沼津)福岡から完全移籍
三鬼 海DF(元町田)
野村 政孝GK(秋田)名古屋から完全移籍

ほかには、C大阪から期限付き移籍していた小谷 祐喜DFが完全移籍。そして何より北嶋秀朗コーチの復帰は嬉しく頼もしいニュースでした。

こうやって見ると、札幌から移籍のMF上里は実力十分ですが、あと公式戦に絡んでいた実績という意味ではアン・ビョンジュンと田中ぐらいか。しかし、各々のプロフィールを探るとなかなかのポテンシャルのようで。実績や知名度よりも、潜在能力に期待して集めたという感じがします。もちろんチーム財政からすればこのやり方しかないわけですが。昨シーズン、チーム得点王だったエース清武だって、鳥栖では公式戦にほとんど絡めていませんでしたからね。

秘めたポテンシャルを、池谷社長の言う「日本一厳しいトレーニング」で引き出して、育てて戦う。ということでしょう。多くの主力級の選手の流出は免れ、そのうえでの上積みといえます。緊急避難的に固定がちにならざるを得なかった昨シーズンでしたが、もう一度小野監督時代のようにチーム内での競争を煽り、多くの選手が試合に絡むようなチーム作りに期待したいと思います。

池谷社長が発表した今季の目標も、これまでは「プレーオフ進出」というものだったのが、「J1昇格」という明確な表現に変わったのですから。2位以内、あるいはプレーオフを勝ち上がるというのは、相当なチーム力の底上げを意図しているわけで。

プレシーズンマッチが今年もあるようです。全試合放送で長らくJリーグを支えてくれたスカパーから放送権が移って、DAZNというネット配信になりますが、さてこちらのほうの実力のほども気になります。

今年もぼちぼちと更新してまいりますのでお付き合いください。よろしくお願いいたします。