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3月10日(日)
【J3第1節】(えがおS)
熊本 2-2(前半0-0)長野

<得点者>
[熊]原一樹2(81分、88分)
[長]東浩史(51分)、山田陸(86分)
<退場>
[長]大島嵩弘(80分)
<警告>
[熊]中山雄登(85分)
[長]山田陸(33分)
観衆:6,478人


J1、J2に遅れること2週間。ようやくわが熊本にもサッカーのシーズンが訪れました。この2週間のなんと長く感じられたことか…。

開幕カードはAC長野パルセイロ。全く初めて対戦する相手ですが、昨季まで栃木を指揮していた横山監督の手腕は知らなくもないし、前線の木村、三上、東の名前も聞き覚えがある。それにしてもJ3チームとは一体どんなサッカーをしてくるんだろう。そんな不安と緊張感でキックオフの笛を聞きました。

20190310長野

開始1分でいきなり訪れたビッグチャンス。ロングフィードに長野のDFがかぶってボールを失うと、原が保持して、追い越してくる伊東へ。ところがPA内で伊東がぬかるんだピッチに足をとられてスリップ。原が拾ってシュートしますがGKにブロックされてしまいます。

その後は、なんとも硬い。ホーム開幕戦独特の雰囲気からか、予報通りに激しくなってきた雨脚のせいなのか、なかなか自分たちの思うようにボールを動かせない。長野の前線3人のプレスも厳しく、上村、中山の両ボランチも前を向けません。しばらく我慢、我慢。

長野の波状攻撃をしのぐ時間帯が長く続きますが、そこからカウンターで持ち込んで黒木が上げたクロスをDFがクリアして得た熊本のCKのチャンス。中原のキックにGKが飛び出し、かぶってゴールマウスを留守にする。ファーで拾った鈴木がすかさずシュートしますが、立ちはだかったDFがブロックしました。

長野。なかなか強いな。前半五分五分といった感じと思いながら折り返した後半早々、試合が動きます。51分、鈴木が鋭い読みから長野のくさびのパスをカットするものの、出しどころを探したのか球離れが悪く、サンドされると奪われ左に流される。左から内田がクロスを入れると、戻りきれていなかった熊本DFの大外に東が飛び込みジャンピングボレーで押し込みます。

先制された熊本は、すぐさま坂本に代えて三島を投入。伊東を一列下げた。三島の頭という明確なターゲットが出来た熊本は、アーリークロスの供給者として高瀬も投入。三島が落として原が走りこむ形ができ始めます。このあたりは「技術の高さより、戦術が明確なチームが強い」(3月9日付熊日朝刊 昨季J3福島で全試合に出たMF田村翔太のコメント)を思い出しました。

長野のFW陣も疲れが見え始め、ボランチへのプレスが緩くなってくると、そこに更にフレッシュな田辺を入れる。今日のベンチワークは早め早めの決断。

すると81分、長野から送られたロングボールを最後列で跳ね返すと、そのボールを三島がワンタッチで前に。PA内に抜け出そうとした原のランニング。それを代わって入ったばかりの大島が後ろから引っ掛けて笛が鳴る。一発レッドで退場。PKを奪取します。

これを原がきっちりと決める。ゴール裏からは新しく原のために作られたチャントが繰り返し歌われます。

ところが一人少なくなった長野に追加点を与えてしまう。FKのクリアが小さいところをドライブの掛かった敵ながらあっぱれなミドルでゴール左に決められます。

「正直、気持ちも折れかけました」(熊本蹴球通信)と、そのときのことを原も振り返る。しかしすぐ2分後、田辺のふわりとしたクロスをゴール前で三島が落とすと、反対側にいた原が体勢を崩しながらもボレーで押し込む。再び沸き上がるスタジアム。

結局、試合はこのままドローで終わりますが、新加入・原の2得点が新チームの“エース”の存在感を明確に示したゲームになりました。

「あそこまで繋いでもらったからこそのゴールだし、それも途中から出たナベ(田辺圭佑)と三島からなので、サッカーって本当、11人だけじゃなく、ベンチにいる7人や他のチームメイトだったり、雰囲気を作ってくれるサポーターたちでゴールは取れるものだと思う」(同)と言う原。DAZNのインタビューを終えて、チームメイトより遅れて一人、バックスタンドからゴール裏、メインまで小走りで回りながら手を振り、挨拶した。ファン・サポーターの心を、この1試合でワシづかみにしました。

しかし、「しっかり勝ちにつながるゴールを取れるように、もう1点取れるように、早い段階で先に点が取れるように、成長しなきゃいけない」(同)とも言う。

そう。攻撃に関してもそうだが、この試合の失点の部分も曖昧にせず、しっかりとフォーカスして修正しなければならない。

甘くない。そして、長いシーズンが始まったようで、実はあっという間の34節のJ3リーグなのではないかと思ったからです。

2019.02.22 出陣前
今年もこの時期は公私ともに多忙で、練習試合どころか練習も全く見に行けていません。井芹さんの「熊本蹴球通信」を頼りに、様子を窺うくらい。というわけで、昨年同様、「ロアッソ2019シーズン壮行会」だけ覗いてきました。

熊日の記事によれば、参加者は約230名ということですから、昨年よりは30名ほど減った勘定になりますが、この会でしかお会いできない旧知の方々もいて、杯を酌み交わしてきました。

ステージ上の挨拶で印象に残ったのは、今年も平田機工様でしたね。今年は代読ではなく、直接平田社長がお見えになって話をされました。熊本地震の時から始まるそのお話しに、社長ご本人が感極まって声を詰まらせる部分もあり、会場は静まり返りました。

あの時、とにかく仕事で熊本にお金を落とせと社員に厳命したこと。社員たちも被災者だったが、懸命に働き、年間最高の売り上げを達成したこと。おかげで社員が一丸になった、と。震災を経験した選手、経験していない新しい選手たちも皆、神妙に聞き入っていました。

ステージイベントが終わったあとは、選手たちも交えた立食パーティになるんですが、シャイな私も今年は勇気を出して、何人かの選手に話しかけてみました。その一人、今年10番を背負う伊東選手からは「順調に仕上がっている」という言葉が聞け。さらに「今年入ってきた選手はみなうまくて」と言う。特に「原一樹選手」という名前を聞けました。

じゃあ、キラーパスでアシストお願いしますよ。と言うと、「いや自分がゴールを決めます」と、FWに入ることもある新10番は今年にかける意気込みを話してくれました。

早く新メンバーによるゲームが見たい。その気持ちは募るばかりですが、これから行われる練習試合は非公開ばかり。とうとう3月10日の開幕戦まで待たされることになりました。生半可な気持ちでは戦い抜けない、苦しいシーズンになるかも知れませんが、今年も応援していきます。昨年同様、ホーム戦は観戦レポート、アウェーは結果のみとなるかと思いますが、お付き合いいただければ幸いです。
ロアッソ熊本は18日、新体制発表と新加入の選手・スタッフの記者会見、19日はえがお健康スタジアアムで初練習、20日にはサポーターやスポンサーを招いて新体制の“お披露目”を行いました。

ただその前に、やはり触れておかなければいけないのは、15日に公式発表された巻誠一郎選手の引退でしょう。

「クラブは、巻選手との契約を更新するべく話し合いを続けてまいりましたが、巻選手から引退の申し出があり、その意志が固いことから現役引退を受諾することといたしました」(公式)。チーム最年長選手。いつかは来る日でしたが、この機会とは思ってもみませんでした。

翌日の記者会見で引退理由を問われ、「J3降格に終わった昨季を踏まえ『チームをまとめきれなかった』と述べ、リーダーの役割を果たせなくなった点」(熊日)を上げた巻。「自分の価値を還元できなくなった時はプロをやめようと思いながらプレーしてきた」と言う。

16年間のプロ生活のうち、5シーズンを熊本で共に戦いました。熊本出身で初のW杯戦士。その加入は、長いことわれわれ熊本側の“片思い”でしたが、あれは忘れもしない2014年の新体制発表会。最後に名前を呼ばれ、突然ステージに姿を現した巻。「今日契約を取り交わした」という池谷GM(当時)のコメント。と同時に、ロアッソの公式HP、全く時を同じくしてヴェルディのHPで移籍が発表されました。まさにサプライズでした。

この5年間。ピッチ上はもちろん、ピッチ外でも欠くべからざる選手でした。やはり思い出すのは、熊本地震後、チームが熊本に残ってやっていくことを発表した、クラブハウスでの涙の記者会見。練習後も自主的に避難所を精力的に訪問するその姿。その後、リーグ戦に復帰してすぐに連敗し、結果が伴わない悔しさもどかしさを吐露した試合後のインタビューでの涙。常に“熊本”を引っ張り続けたリーダーの姿でした。

「出場機会は少なかったけれど、わずかな時間に90分間のエネルギーを注いだ」(熊日)という。それは見ているこちらにも十分伝わってきた。決して満足のいく5年間ではなかったでしょう。けれど「このロアッソ熊本というクラブが僕の中で、もちろん誰にもそういう話はしてないんですけども、最後のクラブにしようという覚悟を持って(2014年に)帰ってきました」「やっぱり最後は、生まれ育った自分の街のクラブで引退できるのは幸せなこと」(熊本蹴球通信)と言ってくれた。

「新たなリーダーを育てる必要に迫られる」(熊日)と言う織田GMの言葉は正直な気持ちでしょう。ひるがえって、J3に舞台を代えて戦う新体制のわがチーム。1年でJ2復帰というミッションがあるなか、“降格組”“優勝候補”と目される熊本に対して相手チームもしゃかりきになって戦ってくるに違いありません。相当なプレッシャーが予想される。

そのとき、チームメイトを鼓舞するのは誰になるのか。もちろんピッチの外からは、われわれファン・サポーターに課せられた仕事にもなってくるでしょう。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2018.12.28 年末ご挨拶
恒例により年末のご挨拶を申し上げます。

昨年の年末ご挨拶を読み返してみると、震災に見舞われ逆境のなかで残留した一昨年より苦境だったと書いています。しかし運よく降格は免れた。「ならば、この“幸運”を活かすしかない」と。

けれど今シーズン同じ轍を踏み、同じ21位という順位。幸運には恵まれず、あえなくJ3降格という結果に見舞われ、ファン、サポーターにとっては辛い年となってしまいました。

と、感傷的な書き出しになってしまいましたが、そんな気持ちに浸っている暇もないように、クラブからは移籍情報が発表され続けています。先日の原一樹に加えて、今週はFW三島康平、ボランチの岡本知剛をいずれも松本山雅からの完全移籍で獲得。十分な実績を兼ね備えた両選手の加入。先に「熊本蹴球通信」の記事で、織田GMが言っていたとおりの“チームの形”が出来ているようで、期待感が高まります。

「熊本蹴球通信」では、その後も渋谷監督インタビュー、初めての試みとして蔵原専務を始めとしたスタッフの次期シーズンへの方針などが読めて、非常に興味深いものがありました。

こういった内部の情報や考え方を明らかにしていくクラブ側の姿勢もうれしいですが、それを引き出すメディアに恵まれていることも、熊本の良さのひとつではないでしょうか。井芹さん、この1年も大変ありがとうございました。

それから弊ブログとしては、毎回のように拍手コメントをいただく読者の方にも1年のお礼を申し上げなければいけません。お名前を上げてご返信できませんが、ありがとうございました。

古巣に戻る皆川、新しいチャレンジをする安。二人のFWもたくさんのゴールをありがとう。タオルマフラーをびゅんびゅん回したシーンを忘れません。

さて、われわれは来季、明らかになりつつある新しい陣容でJ3を戦い、1年でのJ2復帰という“ミッション”を達成しなければいけません。それ以上に、目標はJFL時代も達成できなかった「リーグ優勝」。その願掛けに、元旦は初詣に出かけます。

寄る年波に負けそうになりますが、なんとか綴ってまいります。来年もどうぞよろしくお願いいたします。


2018.12.19 移籍
選手たちの契約交渉の進むこの時期、かねて報道もされていた田中達也選手のガンバ大阪への完全移籍が、14日にクラブから正式発表されました。

今シーズンの攻撃のかなめだった選手の流出は痛いところではありますが、ガンバというJ1でも有数のビッグクラブへの移籍。長くはない選手生命のなかで、「自分自身のサッカー人生のために挑戦させてもらうことを決めました」(公式)という彼の決断に、拍手を持って送り出したい。

これは契約に関わる話なので、書いていいものかどうか迷いましたが、聞いた話ということで勘弁ください。田中の今季の活躍を見て、シーズン途中に当然他のクラブから声がかかっていたそうです(ガンバかどうかは不明)。しかし、苦境にあるチーム状況を鑑みて、その話は断った。そればかりか、シーズン途中で自ら提案し、クラブに移籍金が残る契約に変更したのだとか。(おそらく今シーズンで切れる契約だったのでしょう)

美談にもほどがあります。

さて、もうひとりの個人昇格移籍は米原。移籍先が松本山雅というのが、個人的にはちょっと残念なのですが、五輪代表監督の経験もある反町監督のたっての希望だったと聞くと、うまく育ててもらって、是非東京五輪メンバーに食い込んでもらいたい。こちらも応援したいものです。

お金の話ばかりで申しわけないのですが、米原の場合は下部組織出身なので、その在籍年数を換算した育成補償金がクラブに支払われるものと思われます。意外に高額だとか。
こうやっていい選手を育てて、クラブに移籍金を残してくれるという形は、“プロビンチャ”たるわがクラブのある意味理想の形でもあると思っています。

田中の移籍発表と日を同じくして、まるでその悲しみを吹き飛ばすように、讃岐の原一樹の完全移籍加入も発表されました。これには正直驚かされました。

原一樹といえば、ネット上では「熊本絶対殺すマン」と称されたように、対戦のたびに点を決められた選手(その他のチームからも○○絶対殺すマンと呼ばれていたとか笑)。神出鬼没な裏への飛び出しや、決定力は脅威でした。昨日の敵は今日の友。前線の選手たちの去就が不安視されるなか、これはビッグネームの獲得でした。

クラブは大学新卒選手4人の加入も発表しています。駒澤大学10番を背負うMF中原輝、筑波大学の主将、DFの小笠原佳祐、東海大学熊本からDF酒井崇一、宮崎産業経営大学からFW北村知也。いずれも即戦力を期待しての獲得。織田GMは、「池谷(友喜)に対してそういう厳しい判断をしているわけですから、大卒の選手は即戦力でやってもらわないといけない」と断言する(熊本蹴球通信)。

「夏ぐらいには、次の構想の芯はできていました」と言う織田GM()。

フロント側の反省として、「やっぱり選手の人数が多かった。33人でスタートして、夏の補強で36人。これではトレーニング効率が下がりますし、試合に絡める選手と、ちょっと試合から外れてしまうメンバーとに分かれがちで、チームの一体感を醸成しにくくなっていた」(同)「来年はスタートが28人くらいになる」(同)と明言します。

一方では契約満了の選手たちも発表されました。われわれは選手を追いかけたりすることはあまりないのですが、一度は赤いユニフォームに袖を通した、縁ある選手たちには、今後もどこかで頑張って行ってもらいたいと思います。

寂しさもあり、わくわくする気持ちもありの師走。「1年でJ2に戻るために、来年は臥薪嘗胆」だと言う織田GM。今最大の腕の見せ所です。